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とあるラジオの心霊企画  作者: 銀闘狼
1/4

とあるラジオの心霊企画 放送

ホラー企画作品です。全四話

 貴方が毎週聞いているとあるラジオ放送で、此の日、司会の高松俊彰と西園寺明日香が夏の企画として心霊写真を紹介している。


 「――と云う訳で此の写真の女性の肩にある顔は昔、此の場所で自殺した女性の怨霊なんですよぉ〜!!」

 「おっかねぇなぁ。


 だが思うんだがやっぱりこう云うのは普通は怪談とかをやる物で、心霊写真なら映像のあるテレビとかでやるべきじゃね?」

 「まぁ、そうですね。前回募集したは良いけど、いざ紹介するとなるとやっぱりラジオには不向きですね。


 後、怪談はトリです」

 「分かっていた事だろうに。じゃあ、明日香。そろそろ次に行くか?」

 「では最後に……てアレ?何ですか、此れ?」

 「どうした?……何だ此れ?黒い写真?」

 「同じ物が数枚あって、裏にはボールペンか何かのインクが濡れて滲んだ様な文字らしき痕跡があるのみですね。と云うか此れの紹介文は何処ですか?」


 スタッフらしき男女の会話する様な音声が暫く聞こえる。

 

 「無いみたいだな。そもそもそんな写真は誰も見覚えが無いって云うしな」

 「どう云う事なんでしょうか?取り敢えず、次の企画は心霊スポットからの中継です!!」

 「此れもラジオでやる事じゃねぇよ」

 「まぁ、良いじゃないですか。其れでは現場の阿久津さん、高梨さん!!」


 少しの間を置いて明るい女性の溌剌とした声が流れる。


 『はい。こちら阿久津と高梨です!!』

 「今回、お二人には【宇多沼村跡地】に向かって貰っています。【宇多沼村】は嘗て三方を山に囲まれ村を縦断する様に川が流れていた村で、2000年に此の村に当時30代の男性が帰郷した所、村には誰一人として村人が居なくなっていたと云う、所謂集団神隠し的な失踪事件があった村です。


 当時の捜査機関が調べても碌な情報も出ずに捜査が打ち切られて其のまま廃村になり、其の後に発生したダム建設によって、現在は水底に沈んでいるらしいです」

 『其れなんですけど、今もう直ぐダムと云う場所にいるんですけど最近晴れ続きだった所為かどうやら水嵩がかなり減っているみたいで、下れそうですね』

 「おい、下りて大丈夫なのか?」

 「まぁ、流石にダムの中に入るのは不味いので其の手前辺り迄ですね。其処で写真を撮って貰って来週に其れをテーマにしようかなぁと」

 「写真は向いていないって話になったばかりだけどな」

 『取り敢えず下りてみますね(…………………♪)』

 『道が雑草に呑まれて歩きずらいな(…………………♪)』

 「?何か聞こえないか?」

 「え?何がですか?」

 「何だろう?歌の様な……?」


 其の言葉に貴方は更に耳を澄ましてみると、確かに微かにそんな音声が聴こえて来る様に思える。


 「……まぁ、良いや。其れでそっちはどうだ?」

 『えぇと、其れが中々ダムに辿り着けなくて……。道を間違えたかなぁ?』

 『だけど一本道だった筈だぞ?』

 『だよねぇ……ってあそこに人がいるから聞いてみようよ!』

 『は?……本当だ。こんな場所、而もこんな時間にどうしたんだろう?』

 「人ですって?今は20時ですよ?」

 「確かに妙だなぁ。こんな時間に何をしているんだ?」


 暫くの間、阿久津と高梨が誰かと会話をしている声が聞こえる。然し、何故か話している相手の声が聞き取り辛い。


 『えぇっと、沼田さんと云う方なんですけど、どうやら此の辺りを管理している人らしくて見回りの帰りだったそうです』

 『ダムは防災の為の物で水源確保の為の物では無い為、基本的に水が少ないらしいな。とは云え近付くのはやっぱり危ないらしいけど』

 「成る程な。そう云う事だったのか」

 「ちゃんとした現地の方だったんですねぇ」

 『其れで沼田さんが近付ける所迄案内してくれるそうなので、此れからは沼田さんも中継に参加してくれるそうです。


 と云う訳で沼田さんです!!』

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