7 家具
俺とノルンはとりあえず掃除をしてみた
俺が一階部分を、ノルンが二階部分を担当する
正直新築だからそこまで汚くはない
だけど放っておくとめんどくさくなりそうな黒ずみなどがところどころあったので、これを除去していく
うーん、これ掃除に二人もいらないなー
ここはノルンに掃除を任せて俺は家具でも見に行こう
「ノルン、二階が終わったら一階も頼むね
俺は家具を見てくるから」
「まつ、ノルンも、みたい」
「帰ってくるまでにぴかぴかにしてくれたら何か
作って・・・
「まつ」
ノルンがじゅるりとよだれをぼたぼた垂らした
そこも掃除しとけよー
俺は町の家具屋に向かった
少しして到着した
俺は中に入って少し商品を物色した
すると
「いらっしゃいませー、なにかお探しですかー」
今の俺より少し小さい女の子が出てきた
「はい、きみは?」
「あ、私はこの家具屋ニコリの娘のニコリと申します」
「え、君がオーナーなの!?」
そう思ったらなんと違った
本当のオーナーはニコリの父親なんだが、その父親がニコリを溺愛してしまい、店の名前まで変えてしまったらしい
これを説明している時のニコリの顔は心底呆れたような感じだった
まぁ手伝いしてるくらいだからそこまで中は悪くないんだろうけど
え、ニコリはお金をもらってるから親子だけどバイトみたいなもの?、手伝いじゃないの?
あ、なるほどね、もうそれ以上は聞かないでおくよ
「俺はケートっていって、お店を開くために色々と家具が欲しいんだけど何か良さげなやつありますか?」
「・・・」
え、急に黙ってどうしたんだ
「ケートさんってあのこの町に食の革命をもたらした、あの革命児にしてこの世界を食で支配するだけの力を持つ、あのケートさんですか!!!」
うん、過大評価
俺のスキルがなんかチートだっただけだし、あの料理生み出したの俺じゃないしなー
心苦しい、、、
俺が少したじろいでいるとニコリが叫んだ
「お父さーん、ちょっと出てきてーーーーー!」
すると奥からゴソゴソっと音がなって髭を生やしたおっさんが出てきた
「なんだい、ニコリたん、パパは今少し忙しいよ、、、、、、、、誰だ、この男は」
後ろからゴゴゴッと効果音が出ていた
「この人はケートさん、お父さんが美味しそうに食べてた唐揚げの人!」
「な、なんだと、、、そんな人がなぜ.........なるほど、そういうことか、君になら娘を託してもいいかもしれない、でも本当に君にニコリが任せら」
「すみません、戻ってきてください」
ちょっと時間を置き、ニコリのお父さんを正気にさせた
「で、ケートさんが店をやりたいからいい家具はないかと見に来たってことか」
やっと真面目な話ができた
「はい、まずは飲食スペースを充実させたいと思います」
俺は広さなど、店の情報をお父さんに教えた
「ケートさんの店の広さから、これなら割と多くのテーブルが並べられると思う」
お父さんが勧めてくれたのは円形のテーブルだった
うん、これだったら大きさ的にも数が揃えられて、見栄えが良くなりそうだな
あと、カウンター的なものを作りたいっと言ったら、少し背の高めの椅子と長机を持ってきてくれた
一階の家具は割と揃ったな
ちなみに二階の生活スペースの家具は適当に選んだ
そこまでこだわってないからね
ノルンの意見聞いてこればよかった、ごめんよー
「全部でいくらくらいですか?」
「ケートさんには、いつも唐揚げにお世話になってるから全部で金貨一枚でいいさ」
「え、これだけもらって金貨一枚って利益ないんじゃ、、、」
「いいってことよ、それよりまたあれを食わせてくれればそれでいいさ」
俺は金貨一枚を払い家具類を収納にしまった
ついでに収納から唐揚げの山を取り出して今日のお礼っと言って渡した
なんかお父さんに泣いて喜ばれた
「あんたなら娘を、」
もうめんどいからいいや
「ていうかケートさんは収納持ちか、便利そうで羨ましいなー」
「え、そーゆーもんなんですか?」
「収納持ちは結構少ないから重宝されることが多いなー、騙されないように注意しろよっ」
「はい、わかりました、ありがとうございます」
総じてみると、お父さんはただの親バカのいい人だった
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