5 そっちかい
俺は簡単な露店で唐揚げやジュースを売り、当面の資金を集めようとした
ノルンがファンキーボアなどの魔獣を借ったり果物を取ってきたりを繰り返した
そんな日々が十日間続いた
「おー、なんだかんだでお金集まるもんだなー」
「ぴかぴか、、、」
今俺たちの手元には金貨が二十枚、銀貨が四枚、あと、銅貨銅銭が少々あった
俺は憩い亭での宿泊を延長してもう少し稼ごうかとも考えたがもうこれだけあれば十分だという決断に至った
それに家があれば店もできるかもしれない
前世ではなれなかったオーナーシェフ、、、なんか憧れが、、、
そこで俺は憩い亭で最初に受付をしてくれた娘、ミラというそうだが、その子に聞いてみた
「すみません、この近くで家を探してるんですがどこかいいところはありますか?」
ミラは人差し指をほおに当てる、少しあざとい?仕草をして考えてくれた
「家をお探しであるんならぁー、突き当たりを左に曲がったところに不動産屋さんがあるのでぇー、そちらに向かわれた方がよいかとぉ〜」
最後ビブラートがきいてた
俺はお礼を言い、ノルンを連れて紹介してくれた不動屋まで向かった
着くなり店に入ってみた
「すみませーん」
「ん?見ねえ顔だなー?」
「はい、この前こちらまで来たもので」
「なるほどな、俺はバク、で、用件は?」
「私はケートと申します、こちらはノルン、家を探しています、できれば二階建てで」
一階部分を店にして二階部分を生活スペースにしたい旨を伝えた
その際、俺の要望も伝えた
大きめなキッチンがあることや立地、それから構造など
「うーん、そうなるとここかなー」
一個候補が思い浮かんだようだ
「どういうところなんですか?」
俺はその物件についての話を聞いた
聞くところによると新築で俺の要望を全てクリアし、なにも困ることはなかった
「でもよ、ケートよ、ここ出るんだぜ...」
おいおいなんで新築なのに幽霊が出るオチになってるんだよ、、、
「町の人も被害を受けている人が少なからずいるんだよ」
おいおい実害まで出すって相当やばいやつじゃんかよ、、、
「俺も一回追いかけられた時は死ぬかと思ったぜー、あの蜂め」
・・・蜂?
おい、流れ的に幽霊だろうよーーーーーっ!
なんでもキラースピアーという蜂が巣を作ってしまい退治しようにも反撃に遭い、あえなく撤退ということが何度かありそのままらしい
うーん、どうしよう、蜂なんて退治したことないしなーー、
そんなとき
「ごしゅじん、すきる、つかう、なんとかなる」
ノルンがそう言った
なんか蜂に効く料理ってあったっけ?
俺はステータスをもう一度確認すると
創薬スキル
こんなものがあった
待てよ、これと調理スキル合わせれば、虫に食べさせて撃退する薬でも作れるんじゃないか?
「ちょっとあとで路地裏借りてもいいですか?」
「おう、いいぞ」
俺は早速試してみようと思った
よし、とりあえず創薬できそうな草をむしり行くかー
俺とノルンは森へと足を運んだ
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