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3 はじめてのあきない

ノルンに手を引っ張られる形で、次の町ブルーラを目指すことになった俺は、前を歩く耳をぴこぴこさせるノルンに可愛いと思いながら歩いてた



その途中



「ぶるるるる」

1匹の猪みたいな魔獣が出てきた



「うわあぁぁぁぁー!」

魔獣初見の俺は思わず声をあげて後ろに下がってしまう



そんな中ノルンは猪に突っ込んでいった


(ノルン危ない!逃げろ!)

しかし声は出なかった


やられる!そう思った時、俺の前には信じられない光景が浮かんでいた


猪は倒れていてその横にノルンがぽつんと立っていた

「ごしゅじん、たおした、ほめて」




うん、さすが獣人なだけはあるな


しっぽをふりふりさせていたノルンの頭を俺は撫でてやった

しっぽの振られ方がふりふりからぶんぶんになった、かわいい、、、




「これ、かわ、とる?」

「え、出来るの? じゃあお願いするね」




一切無駄のない手さばきで皮を剥いでいく

血抜きもしっかりしている




「それはなんていう魔獣なの?」

「ふぁんきーぼあ、なまでたべる、ぜっぴん」


うん、生で食べないよ

でも美味しいならあれが作れるかな?


「ノルン、それを部位ごとに分けてくれる?」

「わかった」




しばらくしてノルンが解体し終わった


「これ、たべる、きょか、もとむ」

お前は軍人か


「ちょっと待ってね、絶品な味にしてあげるからね」

「む、それならまつ」


なぜかもうよだれをたらしているノルン

早すぎるぞ





俺はファンキーボアの肉の一部分を目の前の皿の上に置いた


頭の中でイメージしてー



「調理!」



ポンっと出てきたのは大量の唐揚げだった

よし、イメージ通りだ

鳥じゃないのはこの際どうでもいいや



1つわかったことだが、俺のスキルだと小麦粉や料理のさしすせその調味料は用意しなくても勝手につけてくれるらしく、主な材料さえあれば大丈夫らしい

おぉぉ、これがチートか、、、




そう考えふけっているとその横でノルンがよだれの池を作って目を輝かせていた



「じゅる、、、ありがとう」


もう食べるの決定なのね


俺は思わずくすっと笑った




時間にして1分も経たないうちにノルンは大量の唐揚げを食べてしまい、今は地面にこんもりふくれあがったお腹を上にして、大の字で横たわっている



俺もノルンに気づかれないように2つ食べたがこれがまた美味しかった

お店顔負けの味とはこういうのか

きっと某グルメタレントはまいうーっと言ってくれるだろう、もしくは宝石箱やー





少し経った後に、


「ごしゅじん、あのちゃいろやつ、なに?」

ノルンはまっすぐ俺を見て言った


「あれはね、唐揚げっていう食べ物なんだよ

美味しかった?」

「うん、ぜっぴんだった」


じゃあ残りも全部唐揚げにしちゃってスキルで収納しちゃおうかな




俺は唐揚げを思いっきり量産した


.........ノルンが俺の死角から入り込んでつまみ食いした

ノルンに食べたのかって聞いても、食べてない、ごしゅじん、ひと、うたがうの、よくない、なんてことを言うから俺にも考えが浮かんだ

すぐさま唐揚げを全部しまったうえで、再度唐揚げを数個収納から出し、ノルンに食べさせてあげると見せかけて自分で食べるという少し前にグルメ番組でよくあった光景をやってやった

俺がすごくうまそうに食べてると、ノルンはこの世の終わりのような顔をした


大人は意地汚いんよ、ノルンよ


ちなみにノルンは自分の罪を認めた







それからポップしてきたファンキーボアや薬草と思わしき草、野菜、きのこ類を俺の収納に入れながら町を目指した











俺たちはとうとう町へついた


「おおぉー、ここがこの世界の最初の町、ブルーラかー」


中世ヨーロッパの雰囲気が少し出ていた


ここで俺はあることに気づいた



お金がない!




よく考えればこの世界のお金についてなにも知らなかった

ということでノルンに色々聞いたところ、、、


「ーーーーーーーーーーーーーー」

「ーーーーーーーーーーーーーー」





ふむふむ、この世界は白金貨・金貨・銀貨・銅貨・銅銭に分けられていて銅銭が十枚で銅貨。そっから先も十枚ずつで単位が変わっていき、一般的な宿が銅貨五枚、ご飯は銅銭五、六枚くらいらしい

銅銭一枚で百円くらいみたいだから基本的に日本での円と変わらない感じだった



うーん、でも今はわかったところで無一文だもんなー


どうしようと悩んでいるとノルンが


「ごしゅじん、ごはん、おかね、なるよ」

と言ってくれた


あ、なるほど

それならば今日の宿代とご飯代くらいは作れるな

それに簡単な露店ぐらいならちょちょっと作れそうだ




よしやろう!、、、



「................」


木材ねぇじゃん!


「ノルン!簡単な木の板をてきとーに持ってこい!報酬は唐揚げ五個だ!」

「!!!!!!」


耳がピコンっと立っていた、しっぽがぶんぶん振られていた


「すぐいく」


行動が早かった

その間に俺は邪魔にならなさそうで、なおかつ人が足を止めてくれるような虫のいい場所を探していた





そして発見した

同時にノルンもおびただしい量の木材を持ってきた

おおすぎぃぃ、、、



俺はノルンに報酬の唐揚げ五個プラスボーナスで三個をあげた




ノルンが食べてるうちに俺は適当に木材を組み立てていった

中学の技術の時間が役に立った

包丁を用いて、ねじを使わずに木材を接着させる方法で木材を組み立てたり切ったりしてなんとか完成させた




俺は持ち物にコンビニの唐揚げが入ってるような紙の容器があるかなーっと思い探していた


あった


探してみるもんだな、、、




ひとまず一つの容器につき五個の唐揚げを入れ、そのセットを二十セット用意した



すると、目の前を騎士みたいな格好した人が通り、足を止めた


「ん?見ねえ飯だな?」

「はい、私のオリジナル料理です」


嘘ついた、ほんとは人類のご先祖さんのオリジナルなのに


「よろしければお一つ無料で召し上がってませんか?」

「お、いいのか!? じゃあ遠慮なく、、、」


ぱくっ、、、


「・・・・・・」

「ど、どうでした?」


「んんんんんめえええええええぇぇぇーーーーーーーーーーーーー」


騎士みたいな人はものすごい大きな声で感想を言ってくれた


「おい、なんだよこれ、めちゃくちゃうめえじゃんか!」


周りの人も少しずつ集まってきた


よしここで、


「外はサクッ、中はジューシーな唐揚げ!ただ今販売中!値段は銅銭五枚でーす!」


すると


「にいちゃん、一つくれや!」

「あんちゃん、こっちも一つ」


ちらほら注文してくれる人が出てきた


そして食べた人はみんな口を揃えてうまいっと言ってくれるので、芋づる式でどんどん注文が増えていった


ノルンには最初唐揚げを容器に入れる作業をさせていたのだが途中で盗み食いを頻繁に行っていたので、お金の方を任せた


唐揚げがなくなりそうになったら、収納してあるファンキーボアをこっそり唐揚げにして、在庫を補充した











無我夢中で作業していると気がついたらあれだけあったファンキーボアもその唐揚げも全部なくなってしまった

まだ少し並んでる人がいたので、


「すみません、唐揚げはもうなくなってしまったのでまた後日ご来店お願いします」


俺は並んでくれている人達に謝った


残念そうに帰るところを見るとまた作りたくなってしますのが料理人の性


今日の売り上げは四百セット、金貨二枚分だった

なかなかの売り上げだった



「よしノルン、宿取ろうか?」

「わっふ!」



俺たちは宿へ向かった









お読みいただきありがとうございました


引き続きよろしくお願いします

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