転生してきた赤ん坊。
二度目の人生。
その日、医者から宣告されたのは少年が死ぬ日だった。
オーエン病。そして誰もいなくなる。前世では存在しなかった。そんな病気。
少年は前世の記憶を引き継いでいた。
性格には前世の知識といったほうがよいだろうか。
記憶はところどころしか覚えていない。
覚えているのは、
日本生まれ、日本育ち。性別は男。
漫画、アニメ、ラノベが好きだったということ。
格闘技を習っていたこと。
そして、好きな人がいたこと。
自分の死因については覚えていない。
気がついたとき、俺はゴミ箱の中で泣いていた。
どうやら捨てられたらしい。捨てられる前にだれかの声を聞いたきがする。
俺は力の限りなき続けた。ごみ山の中でなき続けた。赤ん坊にできることと言えば、なく事しかできない。生き返ってすぐに死へと直面する。
誰もこない。いくら泣いても誰もこない。
人間は誰もいないが、カラスが数羽近くでないている。
一羽のカラスが近づいてくる。カラスは敵なのかそれとも味方なのか?
一瞬、動物に育てられた少年の話を思い出す。
結果はすぐにわかった。
カラスは目の前に来た俺のことを数瞬見つめた後、
突如俺に襲い掛かってきたのだ。
-回想-
にぶいおとがしたあと、おれのしかいがまっかにそまる。
いや、かたほうのめからいろがなくなる。
どうやらおれのめをからすがくいついたらしい。
おれはさらにこえをあげる。
おれはいきたいんだ。ぜんせのことはなにもおぼえていないが
おれはこんなことでしにたくない。
カラスは赤ん坊の目を丸呑みするともう片方の目に嘴をロックオンする。
おれはからすをのこされためでにらみつける。
ぜったいにゆるさない。おまえをかならずころしてやる。
おれはのこされたちからでさいごのおたけびをあげる。
「すごいな。おまえ」
いしきもうろうとしたなか。おれはだれかにだきかかえられる。
「おー、よしよし、間にあってよかった」
いや、まにあってねーよ。おれはそいつにむかって……。
「うん?こいつ……笑ってやがる。痛みを感じていないのか?」
そうおれはわらっていた。
いたみはとちゅうからかんじなくなっていた。
おれはわらった。ああ、これでおれはいきられると。
「さて不気味なガキだが、仕方がない病院までつれてってやるさ」
ぶきみながきはよけいだ。
「ああ、名乗りが遅れたな、俺の名前は信楽銀二、自称正義の味方だ」
こうしておれはじしょうせいぎのおっさんにたすけてもらうのであった。