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  作者: 平丸
6/80

6話 不穏

誤字は許して下さい。




いつか直しますんで!

奴隷商の一人娘に意中の男がいる事を知らされた後、男の話は終わらず長々と奴隷商人は一方的に話し続けていた。


『いいか!よく聞けお嬢との出会いは10年前の親父の仕事に俺がついて行った処から始まったんだ』


『あぁ、そうなんですね』


『その時のお嬢は今とは違ってもうちょっと活発で鬼ごっこをした時なんか彼女の着ているスカートが捲れて純白のパンツを見せながら逃げているのを見て...

もうムチャクチャにしてやりたくなったんだよォ‼︎』


『へぇ...そうなんですね』


『それから俺とお嬢の付き合いが深くなって成長しても一緒の職場で働くようになったんだ』


『幼馴染ですか、羨ましいですね』


『ふっ そうだろう、そしてお嬢がもうすぐ結婚出来る年になるからそろそろ結婚を考えているんだが…』


『?…っ⁉︎』


急に奴隷商の言葉が止まった、俺はどうしたのかと気になり男の方へ顔を向けた瞬間 首を掴まれ壁に叩きつけられた


『お前はお嬢に近づきすぎた...お嬢の声は俺だけが聞いていいものだ、お前が耳にしていいものじゃない』


奴隷商は俺の右耳を契ろうと爪を立てて引き千切ろうとしてくる。


『...』


『誰がお嬢を見ていいと許した』


奴隷商は目を潰そうとする様に指を左目に向かわせられ思わず瞼を閉じるとその上に指を載せてくる。


『…』


奴隷商の気迫に呑まれかけてしまう。


そしてそれが相手も分かってるかの様にいやらしい笑みを浮かべていた。


もしもこの瞬間に少しでも目の前の男の幹線をゆらせば目を潰されてしまうだろう。


俺は奴隷としての身分に落ちた為なのか分からないが

奴隷商を前にしてそんな恐怖に刈られ何もする事が出来ない。


しかし俺も男だそういう恐怖を纏めて顔には出さず真顔で唯見つめ返す。


内心やめてくださいお願いします。

痛いです怖いです土下座でも何でもしますからホントにやめてくださいっ‼︎


なんて思いは何とか見せない様必死に頑張った。


『………』


『………っち』


奴隷商は舌打ちした後に眼と耳に置いた指を離す。


『町に着いたら覚えておけよ、俺がお前を買った後でこの続きをしてやるよ、奴隷紋を掘った後の無抵抗な状態でなぁっ!』


それだけ言うと奴隷を集めている部屋の扉をバタンッという音を出して雑に閉めて出て行った。




…………


…………………


………………………


………………………………コワカタ。


あの人ヤンデレっていうかサイコパスの気があるんじゃ無いのかってぐらい狂ってるな殆ど何もして無いじゃないか。


『よしっ決めた。』


俺は改めて今を置かれた状況を確認して決心をする










『逃げよ』



此処にいると本当に命の危険があるので早く逃げ出さないと不味いわ。


幸運な事に何故かここの監視は甘いし逃亡対策も奴隷達の両足に鉄球が付けられているぐらいなので必死に逃げれば何とかなる。


話は纏まった今宵の月が隠れた時が開始の合図だ。


そうと決まると俺は周りの設備の配置などを調べに

走るのだった。









そんな男の裏ではまた別の決心をした男がいる


つい先程部屋から出て行った奴隷商であった。





今日も奴隷商は何時も通りお嬢を近くで監視し続けていた。


お嬢...いや シャノンは美しい、きっと何処に行ってもシャノンは男にモテるのだろう。


そんな事を思うと自分以外の男達がシャノンに群がる光景が浮かんで来て、殺意を抱き始める。


誰だ、そんな男は何処にいる...直ぐに殺してやらなければ!!


抱いた殺意は、最近シャノンが拾った変な男に向けられた


その男は奴隷の癖して何時も自分のシャノンに視線を向けていた事を思い出す。


何れ手を出しかねない男に少し教育してやらなければと思い手を出すのだが、何をやってもそれにビビる事はなくじっと見つめ続けられた。


その目は何も映ってはなかった、まるで俺の事が眼中にない様に唯前を向いていた。


そんな男に一瞬ビビってしまう自分がいる事に苛立って本当に目を抉ってやろうとも思ったがそれをやってしまえばシャノンの信頼を裏切る事になると思い我慢したが

町に着いたら覚えておけよ。


奴隷として購入した後でその目に恐怖を浮かばせて殺してやる。


そう考えればこの苛立ちも収まったので先に部屋から出て行かせたシャノンの部屋へ向かう。


靴が床を叩きカツン、カツンと渇いた音を鳴らす。


相変わらず思うがこの馬車はおかしい、床が大理石でしかも部屋が10部屋あるなんて聞いた事が無い。


そんな事を考えているとお嬢の部屋の前に着いたので身だしなみを整えた後一応ノックをして部屋へ入る。


『シャ..ゲフン、お嬢、入りますね。』


『えっ、』


ベットの上に座っていたシャノンは驚いた様な顔をしてこちらを見て来る。


うん、驚いた顔もやはり美しい。


いつかシャノンが俺の物になるって思うと興奮してしまうがそれを顔に出すのを堪えた。



『お嬢、どうですかこの仕事が終わったら 一緒に二人っきりでご飯でも行きませんか?』


『い、いや ふ 二人は ちょ 、ちょっと...』


おやおや、私が誘ってあげているというのにそんな事言うなんて仕方が無い子ですねぇ。


こういう女の子にはには少し強引な方が良いのです。


私はシャノンの隣座ると肩を抱き寄せ顔を近づけ甘い言葉を囁こうとしたのだがシャノンはそれを拒み私と少しでも距離を取ろうと部屋の隅に逃げた。



『い、いや 触らないで』


『どうして、嫌がるのですか? 私が誘ってるの

ですよ 怖がるなんてひどいですよ?』


『い、いや こないで‼︎』


おやおや 少しシャノンにはまだこう言うのは早かったのかな? 少し気味悪そうにしている。


まぁそれが演技なのは分かっているのでもう少しソフトにしてあげようと近づいた。


『お嬢様、大丈夫で』


『い、嫌 こないで 気持 ち……悪い 』


『気持ち悪い? お嬢 私は貴女と長く付き合いがありますがそれは 冗談で』


流石に、それはいくら長い付き合いだからと

言い過ぎだと注意しようとしたのだが


どうしても聞き逃せない言葉を耳にしてしまった。


『冗 談 じゃ無 い ホン トの事! いつも 近くに来たらそんな 気持ちの悪い 話ばかり...直ぐに私の身体を触 ってくる あなたは 嫌いですっ』



その言葉を残し シャノンは私を残し部屋から出て行く。


目の前に彼女がいつも寝ているベットがあると言うのにそのベットへダイブする事も匂いを嗅ぐ事もせずに私はシャノンに言われた言葉が頭から離れず呆然としていた。



「嫌い」



コレは少しいただけない、愛する男へそんな事を言うなんて将来彼女の亭主になる者として許す事は出来ない。


少し お仕置き シナケレバ ならない。




脳内は冷たく冷静だが 心は熱く燃えていた。



これからどう 彼女にお仕置きを与えようか。


…それだけをずっと考え続けていたのだが


一つ、俺の女にお仕置きする為にはどうしても障害となる奴がいる事を気づく


……どうする、俺一人で行動するのは危険だ


俺は目を瞑り少しだけ考えを纏め一つの結論を出した




『少し、残酷だが仕方がない全ては俺とシャノンが結ばれる為だ












アレを呼ぼう。』









俺は目的の為ならなんでもする人間だ昔誘拐した時は調教に失敗したが今度こそは完璧に完成させよう。


しかし町に着いた時に事を起こすのは難しいやるならば今しか無い直ぐに動かなければ。


俺は馬車の窓から迎い町にいる 男へ向けて使い魔を出した。






___________________________________________


奴隷商が奴隷を運ぶ目的地 の街はずれ住民達が先ず訪れようとしないスラム街が広がっている。


その規模はスラム街と言って良いのか分からない程の物があった。


そしてそのスラムの中心部にこの国の上層部達が群を抜き危険だと危険視している人物が一人豪邸の真ん中で手紙を片手に立っている。



『ナ ス』


男がだれも存在しない空間に話掛けた瞬間に線が細く小柄な男が現れる。


『どうしたんですか、兄キィ?』


『義弟から手を貸して欲しいと頼まれてな直ぐに向かわなければならない直ぐに兵の準備だ』


『…分かりました直ぐに準備させます。』


それだけ言うとヒョロい男は瞬きする間もなく闇に消えていった。


再度男が一人になった所でそのはち切れんばかりに隆起した右腕をゆっくりと水平に振るう。


『まだまだか…』


暫く経った後にそう自分に言い聞かすように溢し男は部下達の待つ場所に堂々と歩いていった。




スラム街からかなり離れた所にこの国で3本指に入る高さを誇る山が存在した。


しかしそれはもう昔の事になる。


豪風がいった吹き起こると直ぐに土砂崩れが起き、周りの村に大災害として襲い掛かる。


村の住民達は生きる為に必死に逃げる、だが現実は残酷で逃げる速度を上回る速さで尋常では無い質量で襲い掛かった。


神に祈り続け奇跡が起きたのかもしれない。


百を超える逃げた村人達の中に一人、たった一人の修道女が土から這い上がる。


服は地上に這い上がった為か身に付けていた装飾品や衣服は裂けており肌を隠す為の機能を満たしてはいない。


村一番の美少女と名高かったその美貌は恐怖と疲労で老婆と見られてもおかしく無い表情をしていた。


彼女自身そんな事は気に留めておらず、唯生きていたその思いだけが彼女にあった。


夜が明けた事を鳥達が告げ周囲が少し明るくなりふと空を見上げると薄っすらと信じられない物が目に入ってしまう。


『な、な にが..』


太陽の光が山を照らしと薄っすらとしていた物がはっきりと像を為し山の惨状を見せつけて来る


其処には山が半分の高さで水平に斬られているような痕だけが無惨に残っていた。

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