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  作者: 平丸
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4話

『…おお凄え、咄嗟に殴ってしまったが未だ生きてるぞ..おい』


『なに行ってるんですか‼︎兄さん早く治療しないと、死んじゃいますよっ‼︎』


男は独り言を零すがそれを責める様に話しかける少女がいた。


『お、おう。…なんか今日はいつもと違うなぁ、どうしたんだ?シャノン』


『当たり前ですっ!早くしないと彼が死んじゃいます

直ぐに治療魔法がかけられる術士を‼︎』


『あ、はい。』


シャロンの気迫に負けたのか直ぐに男は馬車に待機している魔術師を迎えに走った。


『….余り効かないでしょうけど【活性】』


少女が手をかざした奴隷の男の胸辺りに薄っすらと光が灯り光が発生した周辺の皮膚が急激に細胞分裂を始める。


しばらくすると血だらけなのは変わらないが血の下に新しい皮膚が生まれていた。


『….ごめんなさい、これくらいしか出来なくて』


少女は奴隷の男に自分の拙い魔法で効果があるなんて思ってなかったがそれでも目の前に倒れている人がいて何もしないなんて事は彼女の性格から到底無理な話であった。


取り敢えず胸辺りの皮膚から噴き出た血は止める事が出来たので直ぐに他の場所へ【活性】の魔法をかけた

頭部、心部の辺りの皮膚を再生して魔力が枯渇しかけた辺りで男が術士を連れてやって来ていた。


彼女の魔力はそこまで多い訳では無く魔法も師を仰いで習得した訳ではなかったのでお世辞でも彼女の魔法は上手いとは言えないものだったのでこれでようやくちゃんとした治療が出来ると彼女は魔法を中断した。


『…すいっ..ません、..後はよろしくお願いします』


『おいシャノン、大丈夫か?顔色が悪いぞ無理に魔法を使ったんだろう、少し馬車に戻って休んど


『ここに…います』


『だがなシャノン、本当に』


『ここにっいますっ。』


体内の魔力をかなり速いペースで消費してしまった為にスタミナ切れの様な状態に陥ってしまった事を心配した男は直ぐに休ませようと馬車に戻らせようとするが彼女は戻ろうとはしなかった。


『ごめんなさい。私の魔法ではこんな事しか..後はお願いします』


それだけを呼び出した術士に伝えると、彼女は術士の後ろでビクビクとしていた実の兄に圧を掛けながら話しかけた。


『兄さん、彼の状態が安定した後で話がありますからちょっと着いて来てくださいね』


『わ、悪いが俺もこいつに着いておかなければならないか


『来てください』


『…はい』


他人が一目見ると怖がられることがよくある兄に対して一切の有無を言わせなかった。


今の彼女からは男が怖くて声が出づらくなる情け無い姿は浮かばない程であった。




術士が奴隷の男の治療の為に治癒魔法を掛け始めて直ぐに状態が安定して来たとシャノンに伝えられた。


術士が言うにはこの男の回復力が異常であった為に術士の魔力を体内に取り込むと、切り傷はあるが身体中の出血が激しい傷を塞ぎ始めてなんらかの方法で血を作ったのか顔色が良くなり体温が平温に上がっていったらしい。


こんな事は長い期間、術士として働いていた人達でさえ原理が分からない事だと鼻息を粗く告げると目を輝かせた術士は街に着いたら是非自分に売ってくれと言いながら馬車の中に帰っていった。


シャノンは最後の確認として念の為に男の容態を見ると確かに全身血だらけではあるがどこにも深い傷はなく黒ずんでいて何とも言えなくなってしまったが一命は取り留めたので、取り敢えず医務室のベットで寝かせる様に指示をすると、星空の下に兄と妹の二人だけになってしまう。


『...ようやく、二人になれましたね?』


『ソ、ソウデスネー』


『何で兄さんはいつもそう暴力的なんですか⁉︎』


『すいませんでしたっ。』


兄は妹に責められると即座に土下座に移った。


これに関しては明らかに自分が悪い事を理解していたからだ。


『..はぁ、こんな事はもう止めて下さいよ。私に話掛けて来ただけじゃ無いですか、そこまでする必要なんてないじゃないですか』


妹の事を心配した兄が多分、まず、きっと善意だけでやった事なのは一応理解していたのであまり強く言えず注意だけをして終わろうとしたのだがシャノンの話を聞いた兄は土に付けていた頭を上げてこう言った。


『シャノン、俺はもうお前があんな事にならない様に守るって誓ったんだ。...だから俺はお前の前に表れる不安因子は徹底的に潰すぞ。』


兄の顔から冗談で言っている様には聞こえず、今話した事が本当なのだろうと理解してしまったからこその想いが彼女にはあった。



『兄さん…気持ち悪いです。』


『...おいっ!』


『確かにあれから私は引っ込み思案で人が怖くなりました..それでも私はもう立ち直りましたので大丈夫ですよ。』』


それだけ言うとシャノンは馬車へ帰っていく。


『大丈夫か..本当にそうなら俺もお前を此処まで過保護にはしないんだけどな』


兄の心妹知らずと言えるのかシャノンが馬車に乗り込んだのを遠くから確認した兄は彼女の言葉で顔を顰めながら呟くと自分も馬車へ戻って行った。

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