File:3 裏の手引き
今テレビを見てもニュースはこのことでもちきりになっている。これまで20回以上事件は起きているわけだが、それの目撃証言が全くないというのだ。殺している人はいるのだが、その頃仕方が妙なのである。被害者からしてみれば知らぬ間に死んでいるのだ。これも面白がって報道するのがマスコミの仕事。まぁ、その時点で頭がおかしいが。
携帯が鳴る。すぐに出てみると、
「ナガシィ。どうしたの。」
「ああ。萌。一つ萌に止めてほしいことがあるんだ。」
「何。」
聞き返すと永島から重い口調で今テレビでやっていることについて語り始めた。
「それ。ウソでしょ。」
自分の耳が信じられないので聞き返す。永島からは返答がない。本当に・・・。
「ああ。前お前警視庁に知り合いがいるって言ってただろ。その人に俺自身を捕まえさせる。それでいいはずだ。」
「でも、ナガシィ死ぬんでしょ。」
「大丈夫。一つだけ以外は問題ない。」
「問題ある。」
「・・・。頼む。今の僕にはもうそれしかない。」
「・・・。」
了承しかねた。だが、自分を止めるためにはこれしかない。確かに。それしかないのかもしれない。
「わ・・・分かったよ。」
今の自分にはこう答えるしかなかった。
その後黒崎にこのことを話し、今日永島が現れるというところに張り込んだ。