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13/21

File:13 ホシ

「萌。君は俺のために俺に尽くすんだ。」

「Nのために・・・。」

「ああ・・・。そうすれば君の彼氏は幸せになる。」

「そうすれば私の・・・私のナガシィが幸せになる・・・。」

「そうだよ。だから、君は僕に手を貸すんだ。君の彼氏のためにね。」

もちろん。このままでは心配もあるだろう。

「でも、君は人を殺す必要はない。人を殺すのは俺の仕事だからな。でも、そのためにはフェイクがいる。いずれすぐに表れる。この犯罪者識別・秒殺プログラムに対抗するプログラムが現れるからね・・・。そのためのフェイクだよ。」

「フェイク・・・。」

「そうだよ。フェイクだよ。」

よし。こうしておけば、萌のこの人格をいつでも引き出すことができる。引き出すのは俺の自由でいい。もちろん。黒崎もこうして、この闇人格を俺の好きなタイミングで引き出していた。しかし、これは人を操れるようになるわけではないから、俺が黒崎や坂口をコントロールする手立てはない。

「さぁ。眠れ。」

俺はそう一声かけて、萌の前から消えた。そうすれば、萌はまたソファーの上で眠りにつく。まぁ、もしかしたら、すぐに気付くかもしれないけどねぇ・・・。

「チッ・・・。」

Nが消えるのを待って、僕は事務所に入った。

「萌・・・。」

僕はそう声を掛けた。しかし、萌の頭の上を見る。すでに遅かったか・・・。

(ダメかぁ・・・。)

僕は外を見た。

(こうしている間にもすでに懺悔をした人々たちが・・・。このまま。N。貴様の好きにさせておくわけにはいかないよ。)

僕は外に出た。犯罪者識別・秒殺プログラムは僕が作り出したもの。もちろん。僕にはそれが埋め込まれている人を識別することができる。しかし、これは本当に萌への危険が高まってからつくったものだから、黒崎の時には試験段階だった。でも、今こうして、それを識別することができる。このプログラムが成功したのはいいけど、萌が・・・。

(そんなこと考えてる場合じゃない。僕がまた作ればいいんだ。犯罪者識別プログラムを破壊するプログラムを・・・。でも、いつ完成するかわからない・・・。)

その夜確かにNは動いた。Nが殺したのは68歳のボス。殺した人間は僕の両親を死に追いやり、僕の人生をどん底におとしいれ、僕を刑事にさせることを決定づけた、ホシだった。でも、いまさら、復讐する気なんて起きない。

 現場から飛んで去り、Nの行方を探す。

(N。待ってろ。お前は絶対に捕まえる・・・。もちろん。萌も救ってみせる。)


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