あとがき
以下は本当にあとがきです。後日談等ではありません。世界感を壊されたくないという方は、ブラウザバックを推奨します。
『放課後RPG』をお読みいただき、ありがとうございました。
まず、『放課後RPG』はこれでお終いです。他者の視点や後日談、閑話等は一切書きません。ご了承ください。
当初、最初の設定と二三の山場、そして最後の落ちだけ決めて書き始めたこの『放課後RPG』でしたが、紆余曲折ありつつも何とか完結できましたのは、更新のたびに読んでいただいた皆様のお陰です。拙い作品ではありましたが、少しでも楽しんで読んでいただけていれば、嬉しく思います。本当にありがとうございました。
またタイトルロゴをはじめ、数々の素晴らしいイラストを提供してくれたwad氏、そして色々と意見をくれた友人達には深く感謝いたします。
さて、あとがきは唯一作者が内容について語っていい場所と思っているので、以下は『放課後RPG』についての話をします。本編の内容に触れてコメントしますので、世界観を壊されたくない方は、ブラウザバックを推奨します。
この『放課後RPG』は、元々の構想としては、数人のクラスメイトで視点を変えつつ話を進めていくつもりでした。イメージ的には『ロマンシングサガ』や『ライブアライブ』、少しマニアックな所で言うと『シャイニングフォースIII』に近いです。
そんな事情のため、この話には空海以外に主人公となり得るキャラをたくさん用意していました。それは王子だったり、タクヤだったり、六道、十、そして魔王アンラだったりします。
皆、それぞれの視点でしか描けない話もありましたが、私の力不足と時間不足、そして一人称の話の途中で視点を変更するのがどうも気持悪い等の理由で、結局空海の視点で最後まで進めました。
その為、空海の知りえない場所で進んだ設定など、読みづらい点や分かりにくい点もあったと思います(特に六道とか)。何度か三人称に変更しようかと考えましたが、もう連載し始めたんだし、どうせなら一人称でしか出来ないような話にしようと開き直って、色々と試行錯誤させてもらいました。自分としては楽しんで書けましたので、良かったかなと思います。
それでは以下、改訂時に各章を読みながら思った事を徒然と。
1章2章 導入編
今見返すと、何がしたいのかさっぱり分からない、とりあえずやりたい事をやっている感がぷんぷんする辺りです。色々と無茶をやっており、改訂時に読み返す際首をかしげる箇所も多かったです。
3章 魔界編
たしかこの辺りを連載している時、突然日刊ランキング入りすると同時にユニアクが激増して、かなりびっくりした事を覚えてます。
この章に登場するヘルはお気に入りのキャラの1人です。可愛くて使いやすいため、何度も再登場させてしまいました。
また魔王アンラは、この話の隠れ主人公です。ゲームならば二週目から出てくるようなキャラでしょう。結局、一度も戦闘を行わなかったですが。
4章 十・ヨルムンガンド編。
十は自分としてはお気に入りNo1のキャラなのですが、周囲の反応はかなり悪かったです。自己中キャラは物語を動かすには楽だけど、人気は出ないんだなと思いました。
あと改訂前、この章から句読点つけ方が意味不明になっていて、笑ってしまいました。今は修正していますので、多少は読みやすくなっていると思います。
5章十・教国編
最初からやりたかった山場の一つ。この話は元々、友森というキャラを中心に展開しようと考えていました。しかしなぜかプロットを作ると、モブであったはずの三好に見せ場を全て奪われ、友森は全然露出せず完全に空気キャラと化してしまうという不具合。
やはりキャラクターというのは大事で、やりたい話にあったキャラクター、もしくはキャラクターにあった話をやらないと、思うように話が進まないという事がよくわかりました。
6章 ルシファ編
ルシファから真実を知らされると共に、現実世界に帰る決意を新たにする空海の話。
そういえば何回か感想等で、「あらすじに『天邪鬼な主人公』とあるのに、空海は別に天邪鬼じゃないのでは?」というご意見がありましたが、私は空海を天邪鬼だと思っています。というのも、私は『天邪鬼』という言葉には通常の意味とは別に、『いつも批判的に物事を見る』とか『皆が当たり前だと言う事にあえて疑問を持つ』などの意味もあると思っており、そしてそれが出来る"天邪鬼"な人は『自分の信念や意思に基づいて、物事や周囲を穿って見れる人』だと思っています。
空海は、登場人物の中で誰よりも強い信念と意思を持っていました。本当に皮肉屋で無愛想で冷めていて、そして"天邪鬼"したが、いい主人公だったと思います。
7章 空中神殿・大結界編
『放課後RPG』では場当たり的に作った設定がいくつもあります。その中の一つが魔石十二宮です。RPGによくあるニオイのするこれは、中盤を引き伸ばすために導入しました。しかし後から話を作ろうとする、どう考えても12個は多すぎました。結局空海が真面目に手に入れようとして手に入れた魔石十二宮は半分くらいでしたし。
同じく大結界も、この7章を書く時に作った場当たり設定です。こちらは、この章に出てくる境界神ユミールと合わせて、最後の落ちと組み合わせる事ができたので良かったです。
8章 戦争編
最初からやりたかった山場の一つ。元々は『空海、王子、タクヤの三人の視点での話を進め、タクヤと王子が自分達の国を守るためにクラスを二つに割って戦争し始めてしまったのを、空海が苦心して仲介する』という話にする予定でしたが、まったくの妄想に終わりました。そんな壮大な戦記物を書く力は、私には無かったという事です。
結局、戦争自体を小規模なもので済ませ、メインは魔石十二宮を探しに行く話とし、二つを組み合わせてなんとか最終章につなげました。
あと、ドキュンネ三兄弟は思った以上にまともなキャラになってしまい残念でした。もっとぶっ壊れたキャラにする予定だったのですが、収拾がつかなくなりそうだったので……
終章 天界編
明らかになる真実。真の黒幕にヒロインが囚われ、自身もピンチに陥る主人公を、仲間が大挙として助けに来る――まさに王道です。クラスメイトが皆で協力してラスボスを倒すというのは、『放課後RPG』で一番やりたかった事でした。クラスメイト全員を描く事は出来ませんでしたが、最後まで書き通せてよかったです。
ラスト3話はエピローグです。最後の落ちは話をまとめるためのギミックで、最初から考えてはいたもののやはり一人称では公開できる情報が少なく、少し無理矢理になってしまったのは残念でした。それでも最低限、話をまとめる事が出来たかなと思っています。
それでは"後書きの後書き"に設定資料を載せて、『放課後RPG』はおしまいにさせてもらいます。最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。




