ぷくぷく言ってる奴は、父さんではないだろうか??
この物語は、古い木造家屋の床下に潜む「何か」と、そこに囚われた青年の記録である。
三前に突如として姿を消した父親。残されたのは、湿った静けさと、耳から離れない異様な笑い声だけだった。畳一枚を隔てた暗闇から響く音は、次第にその正体を露わにしていく。
怪異なのか、それとも忘れていた過去の影なのか。逃げ場のない小さな部屋で始まる、二日目の夜の恐怖をお届けする。
第2日目:畳の下から
夜が深まると、床下からの音が変わった。
昨日まではただの微かな不協和音だと思っていたが、耳を澄ますと確かに聞こえる。
「……フク、フクフク……」
掠れた低い声が、湿気を含んだ木床を震わせて響いていた。まるで満腹に満ち足りたような、気味の悪い吐息の交じる音。
ふと、胸の奥を冷たい刃物で突かれたような戦慄が走る。
この、少し鼻にかかった「フクフク」という笑い方の癖。どこかで聞いた覚えがある。いや、忘れるはずがない。三年前の夏、突然姿を消した父親の、あの酒が入った時の笑い声そのものだった。
「親父……なのか?」
声をかけると、ぴたりと音が止んだ。
静寂が部屋を支配する。次の瞬間、足元の畳が、下から力任せに押し上げられた。
「……フク、見つかっちゃった」
床下に広がる闇の中から、ぬっと伸びてきた白く湿った手が、僕の足首を強く掴んだ
【了】
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。夏の夜 を涼しくして欲しいですろ今回の会が出る1年生はありませんでしたと思い 申し上げます




