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「舞楽様にお伺い立てたいんですけど。何か注意する事ってありますかね」
「あー……。とりあえず顔を出すように心掛ける。嫉妬深いから」
もしかしたらもう手遅れかも知れない。この間呼ばれた際には完全にいじけてそっぽを向いていたし。でも舞楽様の事を嫌ったり、意地悪したくてやった訳ではないし、時間を掛ければまた向こうから交流を持ち掛けてくれるだろう。
透き通るような青から目を離し、後輩を見ると落ち込んだように項垂れていた。最近は舞楽様そっちのけで、梅香の君、三狐神様の元へ訪れていた事を気にしているのだろう。そのせいか、声色も少し沈んでいた。
「……はい」
「近隣の神様達は自分のとこ来なくても、長い目で見てくれるけど彼女そうじゃないからね」
普通に嫉妬する。他の神に会ったなら、当然の如く自分の元にも来ることを望む。そしてそれを拒絶される事を何よりも恐れる。私は過去に起こした仕出かしに思いを馳せながら、僅かながらに反省した。あれはあれで可愛いので、私的には満足である。
「嫌われてしまったのでしょうか?」
「嫌いにはならないと思うよー? ただ戦神である以前に女性。女性である以前に乙女だから。それに神様である事も上乗せされて、自分が愛されている実感を欲しがる」
前を通った彼女の方がむくれた顔をして、彼氏の裾を掴む。彼氏の方は何をされたか分からないというような顔で振り返っている。お留守な手首が寂しそうだった。馬鹿だなぁ。手を繋ぎたいんだよ。
思わずニヤける頬を平手で叩き、後輩の顔を見る。後輩もきょとんとした顔をしていた。
「この話、聞きたい?」
注意事項
次回、女子が女子に嫉妬している場面があります。
ヨハネは軽〜いノリで口説きに掛かります。
※身内だから何時ものこと。極めて何時も通り。
恋愛感情では無いので、ガールズラブのタグ付けは行わない予定です。
苦手な方はご注意下さい。
カップルの動向を観察してるヨハネあるじゃないですか。ヨハネのこういう所が好きです。
アンタなんで男に生まれなかったんだよ!?
というノリですよ。
こんなカップル見て、ふふってりなたい今日この頃です。