後日談
あの事件が起こった後、また舞楽様の元を訪れていた。相変わらず光沢の放つ柔い白の髪に、黄の双眸を輝かせ、じぃっと此方を見つめている。右手と左手をそれぞれ私達の頬に当てると、スルスルと頬を撫でる。
「なぁ君達、何故付き合わんの?」
戦神である以前に、女性、女性である以前に乙女。恋する乙女、なんて言葉がある通り、やはり恋バナには興味があるらしい。
俺達はそんな舞楽様の問にしばらく唖然とした後、両方とも全く同じ反応をした。
「はぃ?」
「はぃ?」
先に口を開いたのはヨハネだった。これ以上無いほどの的確な言葉を言ってのける。
「言っときますけど、恋人以上の関係ですよ」
自分のことを十割理解する人間に会う確率は最早ゼロである。常に思考を共有し、欲しい言葉をかける人間なんざ居ない。いるはずない。しかし、今回は歪にもそんな人間と巡り会った。ぶっちゃけ恋人なんて淡くて甘い関係に落とし込むつもりは毛頭ない。
「自分自身って言った方が宜しいかと」
「違いない」
あぁ、此奴の御魂が俺に近づく事を、運命は許して下さるだろうか? 学んで混ざって、別人になることを望まない俺の事を、許して下さるだろうか。
ヨハネを見る。此奴はきょんとした顔をして、頬をするりと撫でた。
「うーん。学んで混ざった花魁にはなれないかなー。生粋の君にしかなれない」
まぁ、そうだろうな。どう頑張っても、行き着く先は俺でしかない。
最後までふわっとしていて、作者にも解読不可能だな〜……とか思ってます。
全てが抽象的なこの話も終わりです。
あとがき、明日までに書けたら投稿します。




