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2

「吸い上げて。穢れたその気が失せるまで。吐き出して。黒の澱みが枯れるまで」

 最後の一本を引き抜いた後、思い切り真正面目掛けて突っ込んで行く。目指すは一点、膨らんだ腹。そこに風車の柄を掴んだまま、針を埋め込んだ。そのまま下に向かって、腕を下ろす。どろどろとした羊水が水を穢す。しかし一瞬にして浄化されていく。私は裂け目に思い切り手を突っ込んで、両腕を捩じ込んだ。

「やぁ、交代してくれて助かったよ。一度経験してる故、平常じゃいられなくてね」

 外の世界を知るように、まずは頭が出てきた。次に肩、胴、そして脚。バランスを崩したまま、私の胸元まで雪崩込んできた。

 私達の戦闘スタイルは夢の中に誘い込んで、結界で縛り上げる。動けなくなった所を仕留める。普段ならば片方が意識を現実に繋ぎ、片方が狩人を演じるのだが、今回は特例。だって飲まれたら何も出来ないし。あのまま腹に閉ざされていたら本当に御魂が危ういし。

「やっぱ良い気分じゃねぇな。最悪だ」

 せっかくの色男が黒い溶液に塗れて穢れている。頭からボタボタと粘液を落とし、大層不愉快そうに舌を出した。それから体を清めるようにして、澄んだ水で穢れを落とす。

 あぁ、やっぱりあんたは私だよ。記念にキスの一つでもお見舞いしてやろうかと思った。だから成れの果てが死に損ないである事に気が付かなったのだ。

 そろっと の頬を撫でた時だった。耳を割くような絶叫。

「ぅ、ぁああああかああああかああああ!!」

「あ、やべぇ」

「あ、やべぇ」

 唖然とする私達を差し置いて、澱みに翼が生える。そのまま空高く飛翔しする。私の夢を苗床として逃げ出すつもりだ。

だから赤ずきんちゃん。

ヨハネも誠也も同じ御霊持ってるし、神様的な視点では同一人物なんじゃないかなぁと。

今回は誠也が赤ずきんちゃんでしたね。


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