チェンジリング
ヨハネと同様、境内で舞っていると不意に意識が遠のく感触がした。その流れに身を任せ、気を飛ばす。次に目を開くと静かな湖畔。緑が多く、水も澄んでいる。ここでは生命は容易く息絶えるだろう。潔癖過ぎるが故、何も寄せ付けない。
そんな無色透明な空気の中、唯一の穢れとも言えるものが腹を撫でていた。玉を丸呑みしたように膨らんでいる。
「ナんでェ。今呑ミこンだぁ」
好んで食うなら、相手の特徴ぐらい理解しとけや、ボケナス。
さて先手必勝。風車を片手に水面を跳ね回る。穢らわしいそれを囲うように、風車を水鏡に突き刺すと、風もないのにカラカラと回り始めた。囲われた中央に鎮座するそれを警戒して叫んでいるようだった。
何時までもヨハネをあの中に留まらせる訳にはいかない。空を見上げ、つま先で一回転する。すると周りの空間が一変。真っ暗闇の中。俺は膝を折って、丸まったままの状態だった。胎児のように。
自分の精神さえ黒く侵食されるような感触。御魂が穢れるような感覚。あぁ、気分が最悪だ。
目を開くと異様な程に澄んだ光景。 と入れ替わったのだと気付かされる。風車が結界の役割を果たしてくれている。だから遠慮なく不快感を露に舌を出す。無垢過ぎる水中にダイブし、体を清めた。軽く身震い。舞うように刺さっていた風車を引き抜き、中央の怪異に向かってダーツのように投げ付ける。白い風車に黒く染まっていく。夢で見た怪異の柄に。
ヨハネと誠也だからこそ出来る技ですね。
他の子だと立場変えることはまず無理です。
ほぼ終盤ですね〜。
今書いてるの、中々終わらないので、そろそろ転に行きますよ。




