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特殊な子達

 倒れて眠ったヨハネを抱き起こし、じっと寝顔を眺めていた。でも見ているのはもっと奥のもの。此奴が夢の中で描き出した能舞台だ。三狐神様にもより良く視界を繋ぐため、大変不本意ながら指同士を絡ませている。

 一人の少女が浅瀬の池で水遊びしている。その様は一羽の鷺のようだった。あぁ、お前はそうやって食われたのか。楽しく遊んでいる間に不意をつかれ。

「相変わらず特殊だな。お前らは」

「俺達が一番そう思ってますよ」

 三狐神様は繋いで居ない方の手で、俺の臓を指した後、同様にヨハネの心臓部も指さした。それが隠喩することはきっとただ一つ。此奴と俺との関係性だろう。


 ある日、舞楽様の元を訪れていた時だった。俺が訪れた事を大層喜んだ彼女は上機嫌で俺の顔、髪を撫で回し、ぎゅっと懐へと抱き込んだ。洗練された上質な香の匂いがした事を覚えている。

「なぁ、誠也。お前も慧にとっての凛のように相棒が欲しくないか?」

「要りません」

 ピシャリと言い放った舞楽様は少し寂しげな顔をして俯いた。

 別に居なくていい。一人でいい。何時如何なる時だって、一人で解決しなくてはいけない。その“相棒”が俺が危ない時でも一緒に居るとは思えない。何時だって、最後に頼れるのは自分だけなのだから。だからあまり他人を当てにしたくない。

「お前はもう少し甘えることを覚えるといい」

 甘える……ねぇ。そう舞楽様の有難いお言葉を聞き流していた時だった。白髪の美女が駆け込んで来た。もふっとした柔らかい髪、透き通るような緋色の目。初めてお目にかかった時は、一目惚れしかけた。三狐神様だ。けれども何処か様子がおかしかった。

不本意。って答えたのは、ドキドキするから。

好きな人に手ぇ繋がれて、平常じゃいられないですよね。

一目惚れ仕掛けたっていうか、したのでは?


まぁ、余談は置いといて、何処か冷めた人生観なのは昔からです。

人を頼らず、何時だって個人戦。それが誠也でした。

今でもそれは変わらないかも知れません。

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