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 何処からともなく魔性の声が聞こえてきた。するとただの黒々とした気色の悪い自分の姿に変化が及んだ。鷺に変化(へんげ)する前の娘と同じ年頃、うら若い少年の姿になっていた。水に映る自身の(かんばせ)を指で触って確認しながら、それは顔を上に向けた。

 これなら言葉も話せる。呼び止める事も出来る。

「待って。行かないで」

 もう豆粒程になった鷺に向かって叫んだ。届くはずもない声、聞こえているかも分からなかった。けれど引き返しているようだった。一つの点が段々と白い玉になり、近づく程に鳥の姿を表していく。一瞬にして、少年の前に立つと、鷺はまた少女に姿を変えた。

 少女は何の警戒心もなく、ただにこにこと笑っていた。その微笑みを受け、少年は少女の小さな体をすっぽりと包み込んだ。

「これで一緒。ズッと一しョ嬉じぃナぁ」

 少年となった僅かな奇跡は砂上の城の如く一瞬にして崩れ落ちた。あどけない少年の姿が元の姿に戻る。黒くどろどろしたそれは、少女の白い体をすっぽりと包むと、満足気に腹を撫で回した。

段々と終盤に近づいて来ました。

まだ来てません。誠也。

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