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「あぁ。何、大した事じゃない。嫌な予感がするから、なるべく行動を共にしたい」
「君が望んで命令さえしてくれれば、午前だって暇にするよ」
文庫本を横に押し退けながら、頬杖を着いて薄笑いを浮かべる。傍から見れば、とって食いそうな凄惨な表情だと自負しているが、どうにも止められない。
それに靡くことなく誠也は眉間に皺を寄せると、小さく舌打ちをした。見るからに軽蔑している。ちょいと態度が悪くない?
「性悪って、お前の為にある言葉だと思ってる」
気を紛らわすようにマグに入ったストローを掻き回すと、吐き捨てるような一言。一向に目を合わせない。もし目が合ったら殺す気で睨むのだろう。
「誘うだけ誘って、落ちた途端に捨てるのがお前の手口だろ?」
「やだなぁ、そんなことしないさ。口説くのは君だけさ」
それに君だって同族だろうに。
歯の浮くような台詞を投げると、ため息を着いて立ち上がる。手短にあった文庫本を畳むと、振り向きもせずに会計に向かう。その後を雛鳥の如く着いて回ると、不意に後ろを振り返る。
「それ、舞楽様にも言うだろ。それと後輩との約束は守れよ」
勿論だとも。後輩を小脇に抱えてお前に会うのさ。あーでも、後輩にとっては二人も要らないか?
ノリの軽〜いところが好きです。一緒にいて楽しそう。
一緒に後輩をいじりたいです。