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まぁ、冗談はさておいて、私は二人の姿を交互に見た後、ふと思案する。二人が揃っていると、どっちの姿を保つのが良いのか。片方に合わせると、片方が立たない。世の中難しいな。ま、どうせ立て込んだ用事だろうし、霊力を消費のない本来の女体に戻るか。
髪が伸び、体にふっくらとした丸みが帯びる。やはり此方の方がしっくり来る。その様を見て、
はそわっと目線を逸らした。それからヨハネの方を親指で指す。
「ちょいと予兆がありましてね。覚えてます? 此奴の幼少期」
「あぁ、覚えてるよ」
君が話しているのはきっと、堕神擬きに取り込まれ、救い出された時の話だろう。今でもはっきりと覚えている。妊婦の如く膨らんだ腹を縦に割いた。赤子を取り出すようにして抱えた。同列にしちゃ失礼だが、ヨハネの第二の生に立ち会った気分だ。未来は真っ暗だったが。
私は仄暗い双眸のまま、 とヨハネを交互に見た。前に比べて大分マシにはなったが、まだ垢抜けていない。まだ、足りない。もっと学べ。より学んで、学んで、 自分の身ぐらい守れるようになれ。
は苛立ちのまま髪を掻き乱すと、真っ直ぐに此方を見る。
「また来た見たいでですね。何なら三狐神様に頼ろうかと」
「舞楽は呼ばないのか? 妬くし拗ねるし泣くぞ」
そう言うと、二人は頬を引き攣らせた。余りにもよく似た反応に、また声を上げて笑ってしまいそうになる。何、冗談さ。相手方が困ってるのに、自分の私情を捩じ込む奴じゃないさ。
「ふむ、まぁいいか。近くだし、予感して飛んでくるだろ。飛梅公は? 兄妹呼んだ方が身のためだぞ」
「ちょっと立て込んでるらしくて、終わったら来るそうです」
それを聞いて、今度は私が頬を引き攣らせる番だった。そういやまた仕事を投げていた。まぁ、そこまで長くは掛からないだろうし、終わり次第に駆けつけてくれるだろう。
すみません。注意書き忘れてました。
今から追加しに行きます。男体化の事です。
やっぱりあらすじに先に明記した方が良いですかね……。
《男体化》ってタグ付け行うと、それを期待してお読み下さる方もいらっしゃると思うんですよ。
でもメイン張ってないので、大々的に書くことでも無いなと。
嫌な方はその章だけでも飛ばしても問題ないので、後から追記するように心がけてます。




