表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/43

性悪ちゃん

 私は誠也と共に近所の喫茶店を訪れていた。一昔前をイメージしたレトロな喫茶店。茶褐色の木枠や飴色のステンドグラス。コンクリで覆われた無粋な店外と異なり、落ち着いた印象を与える。そこの最奥を陣取って、私達は互いにアイスコーヒーに口を着けていた。先に口を開いたのは誠也だった。

「ヨハネ、来週は暇か?」

「暇じゃないよ。でも暇にするよ」

 私は大して顔も上げず、文庫本に目を走らせながら返答する。インキと紙の匂いが心地良い。内容はちょいとホラー。取り憑かれた女の子の話。その縦に連なる文を、切りの良いところまで追うと顔を上げた。

 黒の短髪よりも少し長めの髪。冷徹にも見える冷ややかな双眸。両腕には筋肉が張り付いている。顔立ちに反し、此奴が肉体派である事を物語っていた。誠也は黙って鋭利な目を向けて来る。

「何?」

「空けとけ」

「午後からね」

 午前は可愛い後輩との約束がある。何でも梅香の君と三狐神様の小説が纏まったので、今度は舞楽様の話が聞きたいとの事。私に聞かなくとも、本人に聞けば、くどい程語ってくれそうなものなのに、何故か周りからの印象を第一として書くつもりらしい。

最近、後輩は舞楽様の元に訪れていない。…………そろそろ不味いかも知れない。

 銅マグに入った夜の闇のような黒。硝子玉のような氷が“ふより”と浮き、中の温度を保ってくれている。黙ってコーヒーのストローに口をつけると、ほろ苦い味が口一杯に広がる。

こういうところがヨハネの好きな所。

敵には遺憾無く発揮しそうですが、誰彼構わず色毛も口説き言葉も振りまくタイプじゃありません。


ま、身内しか今回出ないんですけど。

ただの性悪ちゃんにしか見えません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ