後輩はいい子でっせ
濡羽色の長髪に包まれた小さな顔、そこに埋め込まれた丸こい双眸。重いものなぞ持てません。と言うような華奢な手足。その清楚な見た目を壊すように、ダボついたジャケットをだらしなく着崩していた。
ヨハネは前髪を掻き上げると、一つ欠伸をし、此方に向かって歩み寄ってきた。
「超突破で来ましたよー。君と舞楽様の事だけを考えながら。で、何話していたんです?」
除け者にされるのが嫌なのか、話に割り込んでくる。ベタベタと俺の背中に触り、舞楽様の白髪を撫でる。此奴なりのスキンシップである。誰に似たんだか。
そっぽを向く舞楽様に代わり、俺は今までの事を掻い摘んで話す。聞いている間、ヨハネは黙って聞いていた。時折瞬きを繰り返し、最後にはぐらっと首を折る。
「素直に呼べば良いじゃないですか。喜んで行きますよ、あの子」
ほら。そう思って舞楽様の方を見ると、少しだけ機嫌を直したように顔を上げた。それからすすっと俺とヨハネの腕を掴む。
「まぁ確かに、最近は口を開けば三狐神様、梅香の君の話ばっかりしてましたけど。舞楽様の事も同じくらい大切に思ってましたよ」
「……交流持ち掛けても、お前らみたいに引いたりしない?」
どうやら積極的に呼んだは良いものの、俺たち二人に拒絶された事を根に持っているらしい。というかトラウマか? 三狐神様は拒絶しようがなんだろうが、その事に後悔の一つもしないが、舞楽様はそうでは無いらしい。落ち込むタイプだ。
因みにダボダボな服を来ているのは、後から出ます。
大きな幼女です。ヨハネは。
誰かと似てない? と思われた方、鋭いですね。




