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――気を付けろ。奪いに来るぞ、□□が。お前も、お前の大切な物も。

――お告げをするなら神社でお願いしますよ。

 無言の会話。一種のテレパシー、精神応答。舞楽様、三狐神様、梅香の君と来て、驚く事などありはしない。

 私は黙って水槽に手を着いて、僅かにほくそ笑んだ。子供の喚声も、カップルの甲声も、今は随分と遠くに聞こえる。金目鯛は終始、無表情だった。しかし無表情ながらに口を動かして忠告に躍起になる。けれども思い叶わず、ひらりと身を翻した。そして振り向き様に一言。

――本当に。

――ええ、本当に。

 会話はそれで幕引きとなった。背後から聞こえてくる人の話し声が大きくなる。前を舞う、赤魚(せきうお)もただの展示品に成り下がってしまった。ただの平日の午前中、賑やかな水中楽園。いつの間にか後輩が私の隣に来ていて、中の魚を眺めていた。

「金目鯛の目って大きいんですね」

「こう見えて、深海魚だからね」

 後輩の目が金目鯛と同じく“まん丸”になるのに、時間は掛からなかった。

最後の 深海魚だからね という会話に深い意味は無いと思います。

ただ私にとっては結構な偶然の一致。

上手く嵌ってくれて良かったです。

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