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第4話 はじめての冒険者ギルド

 王都に入った俺たちは、早速冒険者ギルドに向かった。


「ロキよ。さっきはその⋯⋯ありがとうな」


「ん?なにが?」


「なにが?って⋯⋯さっき儂のことを助けてくれようとしたでわないか!」


 そんなことでお礼を言ってくるなんて、こいつも少しは可愛いところがあるみたいだな。


「あぁ、あれね。なんか身体が勝手に動いただけだから、気にするな」


「ほぅ⋯⋯身体が勝手に動いたのか⋯⋯」


 ヴリドラはなぜか顔を赤くしながらもじもじしている。

 どうしたんだ?こいつ?


「ところでヴリドラ。お前の名前なんだが、さすがに姿が子供だからといって最強のドラゴンと同じ名前ってのは誤解を招くかもしれん」


「確かに。ヴリドラという名は目立ちすぎるか⋯⋯ではロキ!お主が儂に名前を付けてくれぬか?」


「俺が付けるの!?」


「良い名前を頼むぞ!!」


 くっそ!勝手なこといいやがって!

 俺そんなにネーミングセンス良くないんだけど⋯⋯。

 そーだなぁ。人間らしい名前の方がいいもんな。

 漆黒龍⋯⋯黒⋯⋯。


「クロエ⋯⋯なんてのはどうだ?」


「おぉ!クロエ!!いいじゃないか!儂は今日からクロエだ!」


 喜んでもらえたようでよかった。


「じゃあ名前も決まったことだし、早速冒険者ギルドに行くぞ!クロエ」


「うむ!」





 冒険者ギルドの入口に着いた俺は、感動していた。


「ついに⋯⋯ついに冒険者になる時が来たんだな⋯⋯」


「ロキよ⋯⋯感動している所悪いのだか、何だか様子がおかしいようだぞ?」


 見ると何故か、ギルド職員と思われる人達全員が右往左往していた。


「緊急事態発生!!王都の南から、ワイバーンの群れが迫ってきています!近くの冒険者は至急、王都南の平原にてワイバーンの撃退をしてください!!」


 そんな放送が飛び交っていたが、俺は気にしない。

 そんなことお構いなしにギルド受付に足を向ける。


「すいません!冒険者になりたいのですが、登録はこちらで大丈夫ですか?」


「お⋯おいロキよ。今はそのような事を言っている場合ではない気がするのだが⋯⋯」


「やかましいわ!俺は一刻も早く冒険者になりたいんだよ!」


 するとギルド受付のエルフは、申し訳なさそうな表情をして、頭を下げてきた。


「申し訳ありません。只今王都にワイバーンの群れが迫ってきておりまして、近くの冒険者様に討伐依頼を出しているところなのです⋯⋯ですのでしばらくの間は冒険者登録をしている余裕がありません⋯⋯」


「な⋯⋯なんだと!?ワイバーンめ!俺が冒険者になる事を邪魔しようと言うのか⋯⋯!!」


「ロキよ。それはあまり関係ないと思うぞ⋯?」


 クロエは呆れたように言うが、俺からすれば同じことだ。

 ワイバーンさえ居なければ、俺はもう冒険者になっていたんだからな!

 許さんぞワイバーン!!


「受付の人!ワイバーンさえ居なくなれば冒険者登録はできるんだな!?」


「ま、まぁ⋯⋯そーですけど⋯⋯。まさか貴方がどうにかするつもりですか!?ワイバーンは危険度Aランクの魔物です!それが群れになって迫ってきているのに、今から冒険者になろうとしている人にどうにか出来るものではありません!」


 まぁ受付の人の言うことはもっともだ。

 普通に考えればまず勝てっこないし、殺される前に逃げ出すことが正解だろう。

 だが、俺にはヴリドラを倒した【レベルアップ】というスキルがある!

 それにそのヴリドラ。もといクロエも居るのだ。

 負ける道理が無い!!


「任せてください受付の人!そんなワイバーンごとき、俺が全滅させてやりますよ!!」





 王都の南にすこし行った平原に俺達は来ていた。

 なにしにって?そりゃワイバーンの群れを殲滅するためにさ!!

 上空を見上げると、すでにワイバーンの群れが視認出来た。


 「なにあれ⋯⋯世界の終わりか何かですかね⋯⋯?つか、群れってゆーか大群すぎだろこれぇええぇえ!!!」


 上空はワイバーンの大群で黒一色に染まっていた。

 おいおい⋯⋯これ何匹いやがるんだ?何万単位の数じゃねぇか⋯⋯!!


 「うむ⋯⋯これは困ったのう」


 クロエもさすがに、この数には驚いた様子だ。

 周りを見渡せば、放送を聞いて駆けつけて来たのであろう冒険者たちが絶望の色を浮かべている。


 「もうダメだ⋯」

 「世界の終わりだ⋯⋯」

 「俺の命もここまでか⋯⋯」


 などと弱気の声が聞こえてくる。

 そしてそんな俺も。


 「あぁ⋯⋯俺は冒険者になる前に死ぬのか⋯⋯!!くそぉ!せめて冒険者登録してたら冒険者になって死ねたのに⋯⋯!!」


 「なーにを弱気になっとるんじゃ!!」


 「いだっ!!って痛くはねぇけど、何すんだクロエ!!」


 何故かいきなりクロエに殴られた俺は、睨みながらクロエを見る。

 すると殴った方の手を抑えながら涙目になっていた。


 「ロキよ⋯お主どんだけ硬い頭をしとるんじゃ⋯⋯」


 石頭とは言われたことないんだけどな⋯⋯?


 「それより!何か策でもあるのか?」


 「当たり前じゃ!儂を誰だと思っておる!!」


 そういって幼女の姿で無い胸を張って見せるクロエ。

 その姿で言われてもなぁ⋯⋯。


 「で?どーすんだ?見た感じ何万単位だぞ?」


 「うむ。儂の広範囲魔法で一気に消滅させる」


 「おぉ!!さすがは最強のドラゴン!頼もしいな!!」


 クロエさんマジ優秀過ぎだろ!!


 「じゃが、儂の魔力ではこんな広範囲、とてもじゃないが覆いきれん」


 「え?じゃあどうすんの?」


 「お主の余りに余った魔力を使わせてもらうぞ?ロキよ」


 え⋯⋯?俺の魔力を使うって、そんなこと出来るのか?

 俺がそんな疑問を浮かべながらクロエを見ると、クロエは舌なめずりしながら俺を見る。


 「はじめての共同作業じゃ」


 そういったクロエはどこか嬉しそうで、どこか恥ずかしそうだった。

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