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第3話 はじめての王都

 王都に向かうため、俺はヴリドラの背中に乗っていた。


「なぁヴリドラ、もうすぐ着くのか?」


「時期見えてくるはずだぞ!⋯ほれ、見えてきた」


 おお!本当に王都だ!初めて見たぜ。

 村育ちの俺は、当然王都に行く機会なんてなかった。

 だが今目の前に王都が広がっている。

 とうとう冒険者になる時が来たんだ!

 俺はその事を実感しながら、ふと気付いたことをヴリドラに問いかけた。


「なぁヴリドラ⋯?お前もしかしてそのまま王都に入ろうとしてないよな⋯⋯?」


「ん?そのつもりだが?」


 俺は顔を青ざめさせた。


「馬鹿かてめぇ!!ドラゴンがいきなり王都になんか入ったらとんでもねぇ事態になるだろが!!それに向こうから見える距離に近づくだけでも危ねぇ!!さっさと降りろ!!」


 俺の予感が的中し、何とか王都の連中にバレずにすんだ。


「ロキよ!なにをそんなに警戒しておるのだ?お主の力なら王都など一瞬にして制圧できるであろう?」


 この馬鹿野郎には後で躾が必要みたいだ⋯⋯。


「あのなぁ⋯。俺は王都を襲いに来たんじゃなくて、冒険者になりに来たんだぞ?それなのに騒ぎを起こしたら冒険者になる前に犯罪者になっちまうよ!」


「な⋯なるほど。なんでも力で解決出来るわけではないのか⋯」


「そういう事だ。これからはもっとそういうことも考えながら行動してくれよ?」


 ヴリドラは申し訳なさそうにしていたので、頭を撫でてやった。

 すると顔を赤く染めて嬉しそうにしている。

 こーしてみると、本当にただの幼女にしかみえないな。


「よし!じゃあ行くか!」


「うむ!」





 王都入口の門で、俺たちは門番に止められていた。


 「王都に何用だ?」


 「冒険者になりにきました!」


 「お前みたいなひょろひょろのガキが?冗談は顔だけにしてもらおう」


 なんだこいつ!?

 めっちゃ失礼なやつだな。つか失礼通り越してね!?

 なんで門番にこんなに言われないといけないの?

 なにこいつストレス溜まってんの?

 殺っていいかな?こいつ殺っていいかな??

 額に青筋を浮かび上がらせながらそんなことを思っていると、


 「おい門番。お主誰にものを言っているのか分かっているのか?我が友を侮辱するとは、許さんぞ」


 ヴリドラ⋯⋯。お前、そんなに俺の事を思ってくれていたのか⋯。

 と、俺が感動していると、門番はヴリドラの事を見て口端を吊り上げた。


 「なんだ偉く可愛い幼女を連れているじゃねぇか。この子を置いていくなら通してやってもいいぞ?へへへ」


 こいつ⋯下衆が。

 すると門番はヴリドラの頭に手を触れようとしてーーー


 「あがっああぁあぁぁ!!!!!!」


 俺は門番の右腕を手刀で切り落していた。

 自分でも驚いた。

 身体が勝手に動いて、気づけば門番の腕を切り落していたんだから。

 それに俺がなにもしなくても、ヴリドラは自分で何とかしていただろうが、やはり幼女の姿でそういう事はしてほしくない。

 おそらく俺のその思いが、俺の身体を動かしたのだろう。


 だが⋯⋯どうしよう⋯⋯これ。

 どう見たってヤバイよなこれ?


 「うぅぅぅ⋯⋯う、腕、俺の腕⋯⋯がぁ⋯⋯」


 おいおいどーすんだよこれ!

 このままじゃこいつ死んじまうよ!!


 「ヴリドラ!お前回復魔法とか使えねぇのか!?」


 「使えねぇのか!?って誰がこやつの腕を切り落したと思っているのだ⋯⋯まったく!」


 そういってなぜか顔を赤くしているヴリドラは、回復魔法を使って門番の腕をくっつける。


 「うむ、さすがはロキ。切り口が凄まじく綺麗だ。これならすぐに完治するだろう」


 そう言って門番の治療を終えた。


 「すまなかったな。すこしやりすぎちまった」


 「ひっ!ば、化け物っ!!」


 門番は怯えきってしまっている。

 困ったな⋯⋯これじゃ王都に入れないんだが⋯⋯。

 俺が困った表情をしていると、またもやヴリドラが前に出てきた。


 「まったく仕方がないの」


 そういいながらヴリドラは手のひらを門番の頭に置いた。

 するといきなり門番の様子が変わる。


 「ロキ様とヴリドラ様の入国を許可します」


 虚ろな目をしながら門番はそういうと、その場に倒れて気絶した。


 「お、おいヴリドラ?お前なにしたの?」


 「なに、大したことじゃない。ちょいと精神支配をしただけだ」


 「そ⋯そうなんだ⋯⋯」


 ヴリドラ優秀すぎね!?

 あ、でも俺にも魔力があるみたいだから、今度ヴリドラに魔法でも教えてもらおうかな!!


 そんなこんなで無事、と言っていいのかわからないが、俺たちは王都に入ることが出来た。


 「ヴリドラ。お前がこんなに頼りになるとは思ってなかった!ありがとな!」


 そう言って頭を撫でると、ヴリドラは顔を赤くし、俯きながら笑うのだった。



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