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case.1 目覚め

よ!






(んぅ……、床が……硬い……?)




 俺の意識はまだ、半分夢の中にいた。


 薄れかけの意識で、俺は現在の状況を確認する。




(なんで硬い……んだ? うーん……)




 しかし段々と目が覚めてくる。


 スカーレットをプレイしようとして、パソコンが急に落ちたかと思えば、変な質問をされて、それに答えても何も起きなくて、それで俺は疲れて眠ったんだよな。


 ようやく俺は意識が完全に戻り、先程までの自分の行動を思い出していた。



(てか、ここ何処だ?)



 俺は寝ていた体を起こし、ゆっくりと立ち上がる。

 辺りを見回すと、明らかにおかしい点がいくつもあった。


 まず、ここは家では無い。

 見渡す限りの岩、岩、岩。

 周りも暗いし、ジメジメしていて蒸し暑い。



(いやいやいやいや、待て待て。もし意識を失ったとしても、さすがにこんなとこに居るのはおかしいだろ!?)



 そう、ここは洞窟だったのだ。


 周りの雰囲気と、コウモリや壊れたツルハシの存在が、その場所を洞窟であると、俺に教えていた。



(マジかよ……何で家に居たはずの俺が、こんな薄気味悪い洞窟なんかに……? ひとまず、状況確認だ。冷静に行こう)



 そう思い俺はまず、今の姿を一度確認してみることにした。


 元の状態のままであれば、俺はスーツ姿のはずだ。



 俺はそれを確かめるべく、自分の目を下に向けた。



 すると、





 ―――脚はすらっとしていて、細長く。




 ―――身長も割と高めだろうか。海外スター並みの身長はあるな。



 ―――そして肌も透き通るように白い。ピチピチしている。その瑞々しさが、肉体の若さを語っていた。



 ―――全身には黒い衣服が。汚れなどなく綺麗な物だ。コートを羽織っていて、コートの内ポケットには……何も入っていなかった。




 さて、ここまで聞いて何か気づかないだろうか。




 ―――そう。


 これは明らかに俺の体では無いのだ!


 ……では一体誰の体なのだろうか。




 しばしの長考……。 


 しかし、この問題はどれだけ考えても解決しなかったので、俺はとりあえず別のことを考えることにした。



(とりあえず、外に出たいよな……)



 暗くて、ジメジメした洞窟内は嫌だ。


 早く外に出ないと。 



 そして、ここがどこの洞窟なのか、俺の身に一体何が起こったのか確かめないと!



(とりあえず進むとするか)



 とりあえず、前進することにした。


 何事も進んでみなければ始まらないからな。





 歩いて数十分だろうか。


 同じような道を歩き続けていた俺の前で、事件は突然起こった。



「―――ピギィ!」


「え」



 ちょこん。


 と、青いブヨブヨした小さな生き物が飛び出してきた。



 ―――スライムだ。スライムが現れた。



 そう、RPGによく出てくるあのスライムだ。


 青い、ぷるるんとしたそのボディに、小さく可愛らしい見た目の、あのスライム。



 そのスライムが今、目の前に居る。



「ピギ!」



 スライムが突進してくる。


 俺はそれを横に走って避けた。



 そして、一目散に逃げ出した。



(戦いの勝手が分からないまま戦闘するのは危険だ……! っていうかなんでモンスターが!?)



 普通に怖いから、俺は逃げ出した。


 今まではこんな事有り得なかったからな。




 しばらく走って、辺りを見渡す。


 安全を確認して、ホッと一息つく。



「それにしても……こんなの、まるでゲームの世界じゃないか」



 まだスライムと遭遇しただけだが、それだけでも分かる。これは現実世界じゃない。



 となると何処なのだろう。


 可能性として、一番考えられるものは……。




 そこまで考えて、俺は一つの考えが頭に浮かんだ。



「まさかここ、《スカーレット》の中なのか……?」



 そう。俺がここに来る前にやろうとしていたオンラインゲーム。



 もし仮にそうだとするなら、この姿なのも納得はいく。




 ……まあ俺が何故この世界に居るのかは謎だけどな。

 いわゆる異世界転生みたいな物なのだろうか。



 この場合、転移とも言える気がするが。



 いや、もしかすると。



 あの俺が眠る前に見た、謎の現象。


 パソコンに映し出されたあの謎の質問に、確か“我らの世界へ”なんて書いてあった筈だ。



 それが、まさかこの事だと言うのか?



 少し、頭が痛くなってきたな。話を戻そう。




 もしここがスカーレットの中だと言うのなら、たしかステータスが確認できるはずだ。説明書にそう書いてあった。


 しかしどうすればいいのか分からない。



 ―――例えば、こういう異世界系統のラノベなら……。


 そう思い、俺はとある事を試してみた。




「“ステータスオープン”―――まあこんなのじゃさすがに安直過ぎたか……」



 と、そこまで言ったところで目の前にステータス画面らしきものが現れたのだ。



「マジか……安直だったわ、この世界」



 意外とすんなりいったな。


 まさか、本当に現れるとは。



 これでますますこの世界が、ゲームの世界であるという確信に近づいたな……。まあ、まだ確定という訳ではないが。



 とりあえず、自分のステータスを確認してみるか。



 さて……今の俺のステータスは、っと。






◆◇◆◇◆



【ルミナス】




性別 男

種族 半神ミディム

職業 魔王

レベル 1

所有スキル 『支配ルール』←New!

      『召喚サモン』←New!

攻撃力:100

防御力:80

魔力:320

スキルポイント:1000

ガンガン更新していきます!

改稿が間に合わねぇ〜

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