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第3話 8階層ってこんなに余裕だったっけ……?

参考までに、時空リセット前の8階層到達時(第1話終盤)のルイスのステータス

―――――――――――――――――――――――――――

ルイス

Lv.15

HP:210/210 (21×10)

MP:170/170 (17×10)

物理攻防力:500 (20×10×2.5)

魔法攻防力:200 (20×10)

固有能力:時空リセット

加護:アマテラスの加護(★★) Lv.1 【全ステータス x10】

装備:鋼の剣(★) Lv.6【物理攻防力 x2.5】

スキル:初級炎魔法Lv.6

    初級回復Lv.6

    初級割合ダメージLv.6

―――――――――――――――――――――――――――


8階層に到達した今の俺のステータスはこんな感じだ。



―――――――――――――――――――――――――――

ルイス

Lv.12

HP:612/612 (18×34)

MP:476/476 (14×34)

物理攻防力:1360 (16×34×2.5)

魔法攻防力:870 (16×34×1.6)

固有能力:時空リセット

装備:鋼の剣(★) Lv.6【物理攻防力 x2.5】

   普通のペンダント(★)Lv.3【魔法攻防力 x1.6】

加護:アマテラスの加護(★★) Lv.7 【全ステータス x34】

スキル:初級状態異常無効Lv.3

    初級回復Lv.2

    初級割合ダメージLv.1

―――――――――――――――――――――――――――


相変わらず俺は、階層ごとの「適正レベル」に到達する前に次の階層に進むようにしているが……今のところ、それで全く問題は無い。


それもそのはず、今の俺は、既にリセット前の最大ステータスより遥かに強いのだ。


リセット前は、7階層くらいからは「不意打ちで割合ダメージを与えて即撤退、を繰り返して敵を散々弱らせ、最後に息の根を止める」などと工夫して討伐していたもんだが……今回は7階層でも、正面から堂々と魔物を倒すことができた。


この分なら、以前はなす術も無かった8階層の魔物も、きっと倒せるはずだ。


「あー、何でもいいから早く魔物出てこねーかなー」


俺はそう気楽に呟きつつ、懐かしの風景を見渡した。

そして……この階層で最初の魔物に出くわすまで、しばらく散策することにした。






そして……約30分が経過して。

俺は、青色の2足歩行の豚のような生き物に遭遇した。


こいつはブルーオーク──ここ8階層に出現する魔物である。

俺はそいつに近づくと……手始めに、割合ダメージスキルを発動した。


「グェッ……グオオォォォ!」


ブルーオークは一瞬だけ呻き声を上げたが……すぐに体勢を立て直し、けたたましく叫んだ。


まあ、スキルレベル1の初級割合ダメージではHPを5%しか減らせないので、そんなもんだろうな。

むしろ今の俺とコイツの力関係なら、通常攻撃の方がデカいダメージを与えられるかもしれないくらいだ。


ただ……スキルは何度も使うことでスキルレベルが上がっていくし、高スキルレベルの割合ダメージは今後重宝するようになるものだ。

だから俺は、未来への投資のつもりで、1戦闘に1回は割合ダメージを発動することにしているのだ。


ま、それももう終わりだがな。

ここからが本番というわけだ。



俺は鋼の剣で、ブルーオークに思いっきり斬りかかった。

ブルーオークはかわそうとしたみたいだが間に合わず、俺の剣をもろに受けてよろめいた。


……攻撃は十分通っているな。

割合ダメージの重ねがけで弱らせるまでもなく、純粋な力量差で俺の方が上になっているって感じだ。


俺はその後もブルーオークを斬り続け……そのまま、ブルーオークを絶命に至らせた。

そうして、俺の8階層での初戦闘は、あっさりと幕を閉じることとなった。


「……こりゃいいや」


戦利品を回収しつつ、俺はリセット前の8階層での戦闘を回想した。




俺がリセット前8階層で躓いたのは、「割合ダメージには、決定的な弱点があったから」だった。


割合ダメージを使えるなら、そればっかり使ってればいつかは敵のHPを0に収束させられると思いがちだが……実際はそうではない。

割合ダメージは回数を重ねるほど1回あたりのダメージ量が少なくなるし、魔物にだって自然治癒力というものがあるからだ。


最初の方は割合ダメージで順調に敵HPを減らせるのだが……いずれは割合ダメージと敵の自然治癒力が釣り合うようになり、敵HPの「均衡点(きんこうてん)」が訪れる。

それ以上は、割合ダメージでは一向に敵の体力を削れなくなるのだ。


そこから先は、自分の戦闘能力を頼るしかなくなるのである。


そして、問題の敵の強さだが……7階層までの魔物は均衡点まで弱体化させれば俺の方が強かったのだが、8階層からは均衡点まで弱体化させた敵の方が俺より強かった。

そんな理由で、俺は8階層で行き詰まることになったのだ。




だが今回は……そもそも均衡点がどうとかすら関係なく、純粋に通常攻撃だけで敵を倒すことができた。


「全く……加護のレベルが上がるだけで、見える世界が違いすぎるぜ」


こうして俺は、前回の挫折を余裕で克服し……迷宮探索者として生きることに、心の底から希望を見出せるようになったのだ。







8階層を超えてからも、順調なダンジョン攻略は続き……8階層到達から1年半も経つ頃には、俺は11階層にまで到達することができていた。


この辺になると、また段々と敵が倒しにくく感じるようになってきた。

流石に「割合ダメージ連発戦術」に頼るほどではないが……可能な限りレベルを上げてからでないと、次の階層に挑めないようになってきたのだ。


故に、今の俺はLv.21までレベルが上がっている。



今日もまた、俺はレベルを22に上げるべく、11階層の攻略に励んでいるのだが……たった今しがた、ちょっと珍しい事態が発生した。


魔物は討伐される際「ドロップ品」という物を落としていくのだが……ついさっき倒した魔物のドロップ品に、見たこともないものが混じっていたのである。



「スキルスクロール【中級時間停止】……だと?」

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