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第2話 【時空リセット】はとんでもない可能性を秘めていた

神の加護が……レベルアップする、だと?


これは、早速試してみる他ないな。

そう思い、俺はアイテムボックスから「次元結晶」を取り出した。



これをどうすれば、加護がレベルアップするのか。

手順は分からないが、とりあえず、俺は自分に加護を授けてくれてる神を呼び出すことにした。


「アマテラス召喚」


普段神は、俺たち人間が存在する世界とは違う場所(アマテラスはそこを「神界」と呼んでいる)に住んでいるのだが……自分に加護を授けてくれてる神は、こう唱えることでちょっとの間だけ目の前に顕現させられる。


もしかしたらアマテラスなら、この「次元結晶」の扱い方を知っているかもしれない。

そう思い、今回俺はその方法でアマテラスを顕現させることにしたのだ。



『呼んだー?』


しばらくすると、俺の目の前に1人の少女が現れ、そう脳内に声を響かせてきた。

この子こそが、俺に加護を授けてくれてる神・アマテラスである。


『……え? もしかして、これくれるの?』


そして……目ざとく次元結晶を発見し、期待の眼差しを俺に向けつつそう聞いてきた。


「あー……それをあげたら、俺の加護がレベルアップするのか?」


この流れはそういうことなんだろうと思い、俺はそう聞き返した。


『そーだよ!』


「じゃああげる」


『わーい!』


そして……この取引は、いとも簡単に成立してしまった。



アマテラスは次元結晶を手に取ると、即座に神界に返ってしまった。

そして、その数秒後……俺は、身体中に力が漲るような感覚を覚えた。



これは……レベルアップ成功、なのか?


期待と不安混じりに、ステータスをオープンする。

すると……俺のステータスは、こんな風になっていた。



―――――――――――――――――――――――――――

ルイス

Lv.1

HP:34/34 (1×34)

MP:34/34 (1×34)

物理攻防力:85 (1×34×2.5)

魔法攻防力:34 (1×34)

固有能力:時空リセット

装備:鋼の剣(★) Lv.6【物理攻防力 x2.5】

加護:アマテラスの加護(★★) Lv.7 【全ステータス x34】

―――――――――――――――――――――――――――




「れ……れびぇる7!?」

ステータスを見た俺は驚きのあまり声が裏返り、滑舌が狂ってしまった。


一体何の冗談だ、これは。

Lv.7て。

次元結晶をあげたら、一気に人間離れした数値になってしまったぞ。


聞いた話によると、★4でLv.2の加護を持つ人のステータス倍率は30倍だとのことだったので、現在の俺はそれすらも超えてしまっているということになる。


見間違えじゃないだろうな。

夢じゃないだろうな。

そう思い、何度も目を擦ったり、頰をつねったりしてみたが……何度見ても、俺の加護は間違いなくLv.7になっていた。


そして、この加護を手にした俺は……こう思わずにはいられなかった。



「もう一度ダンジョンに挑まないという選択肢があるだろうか? いや、無い」と。



今の俺なら、上位の迷宮探索者だって目指すことができる。

もう、俺の目の前には希望しかない。


俺はすぐさま家を飛び出し、1度目の人生とは正反対の気持ちを胸にダンジョンへと向かった。





初の「時空リセット」から3か月後。

俺は既に、ダンジョンの5階層に到達していた。



前来た時は8階層到達に3年かかったのに、今回は3か月時点で既に5階層。

もはや笑うしかないくらいの超スピード攻略である。


なぜ、こんなにも圧倒的なスピードでダンジョンを攻略できているのか。

一言で言えばもちろん、「ステータスが高いから」に尽きるのだが……もう少し具体的に言うと、「レベルアップを待たずに次の階層に行けてしまうから」というのが、その大きな理由である。



迷宮探索者は、ダンジョン内の魔物を討伐することでレベルを上げていくのだが……レベルというものは、いくらでも上がるわけではない。


魔物討伐で手に入る経験値が階層ごとに決まっていて、ある程度レベルを上げると、同じ階層に留まっている限りレベルアップに必要経験値が貯まらなくなってしまうからだ。


言い換えれば、「それぞれの階層には、その階層で到達できるレベルの『限界』がある」ということである。

そしてその「限界」は「適正レベル」と呼ばれていて、適正レベルの目安はだいたい「階層数×2」だ。


つまり、今俺がいる5階層というのは、本来であれば「4階層でLv.8まで上げてから挑むべき階層」となる。

だが、今の俺はLv.6。

そう、俺は加護の倍率任せにダンジョンを突っ切って、本来到達すべきレベルに到達する前に前倒しで次の階層に潜っているのだ。


ここで俺が5階層の魔物に挑むとどうなるか?

答えは簡単、俺のレベルは、通常より早いペースで上がることになる。


そりゃそうだ。

本来レベルを8→9、9→10へと上げるのに適した経験値を使って、レベルを6→7に上げようとしているのだからな。

ここで手に入る経験値は、Lv.6の人間からすれば莫大なもの。

それで早いペースでレベルが上昇するのは、当然の話である。


実際俺は、Lv.6に到達するまでも、この原理にあやかり爆速でレベルを上げてきた。

それこそが、俺が3か月で5階層まで到達できた理由の正体なのだ。



ちなみに今の俺のステータスは、こんな感じだ。


―――――――――――――――――――――――――――

ルイス

Lv.6

HP:204/204 (6×34)

MP:204/204 (6×34)

物理攻防力:510 (6×34×2.5)

魔法攻防力:285 (6×34×1.4)

固有能力:時空リセット

装備:鋼の剣(★) Lv.6【物理攻防力 x2.5】

   普通のペンダント(★)Lv.1【魔法攻防力 x1.4】

加護:アマテラスの加護(★★) Lv.7 【全ステータス x34】

スキル:初級状態異常無効Lv.2

―――――――――――――――――――――――――――



どうだ、まだLv.6なのに、既にリセット前のLv.15だった頃と似たようなステータスになってるんだぞ。

本当に、時空リセットを試してみて正解だったというものだ。


この調子なら、またすぐに8階層に到達することができるだろう。

ということで、これからも攻略を頑張っていくとしよう。





そして、更に3か月が経過し。


ついに俺は、前挫折した8階層まで戻ってくることができた!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ありそうでなかった時間リセット系無双で、 加護を通してのコミュニケーションなど話の広げ方が沢山あって 期待してます。 [気になる点] ステータスは面白い項目ではあるのですが、 二回以上フル…
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