表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

002『極悪』


 目の前で一台の車が蛇行運転を繰り返していた。


 正面に割り込んできたその車。一体何に対してそれほど怒りを覚えているのか、まったく見当もつかない。


 何度もブレーキを踏んで車間距離を詰めてくる。煩わしい以外の感情がなくなり、頭の中でスケジュール帖を開いて確認を始める。


 一度止めて車間を開けようか。


 その方が得策だとアクセルから足を離したその時、突然前の車が完全に停車した。


 ハンドルを切ってよけようとすると、前の車の運転席から男が一人おりてきた。


「てめえコラ! 降りて来いよ! ぶっ殺すぞ!」


 定型文として煽り運転を行う人間にはマニュアルが配布されているのだろうか。


 そんな場違いな考えがよぎる。


 激しく窓を叩く彼は、顔を真っ赤にさせて罵声を吐き続ける。


 いつの間にか助手席からももう一人男が下りてきて居た。


 運転していた男の斜め後ろから援護射撃のように罵声を吐いている。


 ため息をひとつ。


 気付かれないようにドアを解錠して、一気にひらいた。


 ドアにぶつかって大きくよろめく運転手。即座に外へ出て、まだたたらをふむ相手運転手を殴打。狙うのは顎と眼球。ノーガードの顔面に三発。


 唖然とするもう一人。


 目線に気づいて逃げ出そうとしたので、髪の毛を鷲掴みにして引き倒すと、無防備な後頭部を蹴り飛ばした。


 失神する二名。


 一旦それはそのままにして、それらが持っているモノを確認した。


「免許証に、キャッシュ、クレジットカード」


 これだけあれば十分だ。


「二人分なら、まあスケジュール変更した分にはなるな」


 早速知り合いに電話をかけると、二人を車のトランクに押し込み、車を発進させた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ