6話 始動
章の設定上、かなり短めです。
よろしくお願い致します。
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ワカハちゃんと別れた俺は自宅に戻った。
──とはいっても、ほぼ半壊のボロい建物なのだが……。
まあ、広さは充分なので特に不満はない。大体、見ず知らずの俺達に住み処を無償で提供してくれたのだ。文句の言えよう筈がない。
俺は部屋着に着替え、早速ワカハちゃんから頂いた手料理を味わう事にする。
大きなふたつのタッパに詰まった、色々な缶詰のオリジナル料理。
───
うん! さすがはワカハちゃん。あの味気ない缶詰がこんな美味い食べ物になるなんて!
ある意味、俺達よりすごい『能力』持ち。やはり彼女の正体は──な~んてなっ!
俺はそんな冗談を考えながら、こんなに美味しい食事を提供してくれたワカハちゃんに、心の中で手を合わせ感謝する。
ちなみに残った分は明日また俺が堪能する。悪いがあいつの分はすでに存在しないのだ!
──ふっ、ふはははははははっ! どやあぁーーっ!!
……ってひとりで何か虚しい。何やってんだ。俺はよ……。
………。
「……さあ、風呂入ろ……」
───
歪んだバスルームに移動し、浴槽に溜め込んでいる水を使って身体を拭く。
(お粗末ですが、補足するとこれが我が家のお風呂なるものです)
そして眠る準備をし、寝室のベッドの上へと転がった。
───
………。
それにしても、今日は色々とあった。
『変異体』の群れとも久しぶりに単独で戦った。交換所のおっさんとのやり取り。正直、あれが精神的に一番よろしくない。
うん。マジであのおっさん最脅!!
そして、帰り際に出会ったワカハちゃん──
とにかく、今日は『能力』を使い過ぎた……きっと、こんな夜は決まってあの「悪夢」を見てしまう事になるのだろう。
───
「……嫌だな……」
──はっ! そういえば今朝、あいつがなんか良い睡眠薬を用意してくれてるって言ってたんじゃなかったっけ?
なんでも疲れが良く取れて、安眠できる成分を配合したって言ってたけど……。
───
そうなのだ。あいつは、何故か薬剤に関する知識が豊富で、植物や花などに対しては特に詳しく、その博識に、俺は大層感心したものだ。なので時折見る「悪夢」に悩まされている俺は、あいつのその知識に大いに助けて貰っていた。
今回のも期待できる物だろう。
俺は起き上がり、聞いて教えて貰っていたその場所を探した──そして見付け出したその薬。
「──げっ、錠剤じゃなくって粉薬かよっ!」
俺は情けない事ながら、粉薬が大の苦手なのだ……だが。
それよりも──
しばらくの間、その粉薬を凝視しながら止まってしまう俺。
──何故だろう。何故かこれを飲む事によって、とんでもない事が起こりそうな、そんな嫌な予感に襲われる──
───
「まあ、気のせいだろう……」
粉薬を口に放り込み、すかさず水で無理矢理飲み下す。
……嫌な予感は見事に的中! すっげーーっ苦かった……ぐすんっ。
そして再びベッドの上に仰向けに寝転がった。
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──やがて感じる、微睡み──
……やっぱ、あいつはすげーな……速効じゃねぇ……か……。
意識が遠退き眠りに落ちていく───
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そんな中。誰かが言った言葉が、頭の中に静かに響いてくる──
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──『仕・返・し・し・て・や・る』──




