ピンク色の花
初投稿です。
よろしくお願い致します。
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壁も床もそして天井も──
白く広いだけの無機質を感じさせる大きな部屋。
だだ真っ白なだけの何も無い空間──“虚無” そんな連想を感じさせる光景。
その中に数十人の幼い男女の子供の姿があった。
ある男の子は積み木を組み上げ、ある女の子は寝転びながらお絵かきをし、またある男女の子供達は走り回って鬼ごっこをしている。
部屋と同じく白い同一の衣類を着用しているその子供達は、それぞれ思い思いの遊びに没頭していた。
そんな騒がしい中の片隅で、色紙を使って何か一生懸命に作業をしているアッシュブロンドの男の子。
その様子を、一人の黒髪の女の子がしゃがみ込みながら覗き込んでいた。
やがて完成した色紙でできた物。
『ピンク色の花冠』
「やっとできた──」
アッシュブロンドの男の子は、それを黒髪の女の子の頭の上へ、フワリと乗せる。
「わぁ、ありがとっ!」
そして二人はキスをする。額や頬ではなく互いの唇に──
おそらく誰かがしたその行為を真似ただけなのだろう、もしくはテレビなどの映像で得た知識なのだろうか。
ともかく二人は行ったその行為に対して恥じらう事もなく、当然その意味も知らない。多分、特別仲の良い友達。それに対し握手をする。その程度の感覚なのだろう。
そして身体を離した二人の子供は、どちらからともなく同じ言葉を口にする。
──『ずっとかわらない。ずっといっしょ』──