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スハナのその後

「僕の勝ちだ…。」


スハナは自分の勝利と分かり、そのまま倒れてしまった。

しかしまだマルクスの放ったサンダーレインが勢いよく降り注ぐ。


「これはやべえぞ!!このままじゃスハナが…。」


ある冒険者がそう言った瞬間、突然突風が吹き抜け雷雲を吹き飛ばした。


「なっ!?雲を吹き飛ばすほどの風なんてどうゆう事だ!?」


観客していた冒険者が後ろを振り返るとそこには白銀の全身鎧を身にまとった男がいた。


「あれは…S級冒険者の《白銀》のレイ…。しかしどうやってあの雲を吹き飛ばす程の風を…?」


「ただの魔法だ。お前らもよく知るただの《風魔法》さ。」


令がさぞ当たり前のように言う。


「そんなわけがないだろ!風魔法はあそこまで威力が出ない!風魔法ではせいぜい仰ぐより強いくらいの風しか出ないはずだ!」


令はフッと微笑をこぼしながらスハナの方へと視線を向ける。


「…どんなスキルでも使い方次第で強くも弱くもなるのさ。…あの少年が見せたようにな…。」



「はっ!!……ん、ここは?」


スハナはある一室の部屋で目覚めた。辺りを見渡すとそこは病室だった。


「あ!目覚めんたんですんね、スハナさん!」


声をかけてきたのはこの世界では一般的な看護師のような存在であるヘルパーと呼ばれる初級の回復魔法が使える人だ。


「あ、あなたは?」


「私はこの病院のヘルパーをしているアカリです!今すぐ先生を呼びに行きますね!待っててくださいね!」


そう残してアカリは病室を出ていった。


「ドタバタしてる人だな…。」


スハナは今までのことを思い出していた。


「僕は夢を見てたんじゃないんだよな…。…本当にマルクスくんに勝ったんだ!!」


(夢だったS級冒険者に1歩、いや10歩は進んだんだ!…それもこれも全部あの人のおかげだ…。お礼を言いたいけど…そういえばあの人の名前聞いてないんだよ…。でもいつかあの人にお礼を言えるよね。冒険者でいる限りは、いずれ…。)



上空に二つの人影がある。1人は銀と白で作られた見事な鎧を身につけた男、令。そしてもう1人はこの世の美女とは思えないほどの更なる美貌を持った女がいた。


「令様、よろしかったのですか?」


令の命創造ライフ・クリエイトにより生み出された絶世の美女であるカリスがそう令に問いかける。


「…何がだ?」


令は聞いている質問の内容を理解しながらも薄ら笑いで聞き返す。


「あのスハナと呼ばれる少年ですよ。令様が何を計画しているかは知りませんが間違いなく、あの少年の力は脅威になるのではないですか?」


「ハハハハハ!!確かにな…。ま、いろいろ過去のことを思い出して情でも湧いたのかな…。だが、これで最後だ。もう次会った時には容赦なく潰すことになるだろう。それまでの時を楽しく過ごしておくといい。…さて、戻るぞカリス。」


「はい、令様。」


カリスはスハナの一室から見える窓からスハナを数秒見た後、すぐに令の後を追いかけた。



真っ暗な街の中、光魔法によってうっすらと照らされる中に1人の冒険者が逃げていた。


「ひ、ひいいぃぃぃぃ!!誰か助けてくれえぇぇぇぇぇぇ!!」


逃げまとう冒険者は後ろを気にしながら走り続け、塔に挟まれた細い道に入った。しかし、その先は行き止まりだ。


「く、くそっっっっっ!!」


カラカラカラカラ…


後ろから瓶の転がる音が聞こえる。

冒険者が恐る恐る後ろを振り返るとそこには紫の髪を顔まで伸ばした男が薄ら笑いながら違う方向を見ている。


「ひ、ひいいぃぃぃぃ!どうして俺を狙うんだ!!」


冒険者の前にいる男は髪の間から鋭い目つきで冒険者を見てくる。


「……別に、誰でもいいんだよ…。とりあえず、この力を試せたらいいんだよ…。」


「なんだって!!?そんなの魔物にでもやればいいじゃないか!」


「ハハハハハハハハハハ!!」


「な、何がおかしいんだ!?」


「…魔物じゃあダメなんだよな…。魔物じゃあ、悲鳴や絶望した顔が見れないじゃないかあぁぁ!!!」


叫び出した男の顔は狂気に満ちていた。その顔を見て、冒険者は恐怖感が強まった。しかしその冒険者はC級冒険者でそう簡単にはやられない。いつも持ち歩いてある剣を抜いた。


「ただでやられると思うなよ!」


「…いいねぇ!!その顔をぐちゃぐちゃにしてやるのが楽しいんだ!!……行くぞ……魔化マカ…。」


その一言を言った瞬間、男の身体から強烈な熱を放射し、紫色に光る。紫色に光っているがうっすらと血管が浮き出て見える。そして徐々に身体が変わっていくのが見える。ようやく紫色の発光が終わるとそこには紫の髪をした男が豹変していた。頭にはなぜか2つの紫色の羽のような物が付いている。そして手から肘の付け根くらいまでは手が黒色になっている。そして目が赤色に変わっている。


「なっ!?お、お前…ヴァンパイアか?」


そうヴァンパイアの見た目と似たところがあるのだ。


「…ヴァンパイアはこんな羽や黒い腕はしていないだろ…。…俺は魔族なんてもんじゃない…いわば…新人類だ!」


「し、新人類?…ど、どうゆうことだ!!?」


「…お前が知る必要はない…。」


冒険者に向かって男は走り出し黒い手を突き出した。それを避け、剣で突き刺そうとすると…、男の手から黒い玉のような物が現れ、冒険者に向かって発射した。黒い玉からビームのような物が出てきて、その威力は冒険者の後ろにあった壁を破壊し、数十メートル先まで破壊した。


「こんなものか…。」


すると後ろからコツコツという足音が近づいてくる。


「あまり、街の中で暴れて欲しくないんだがね〜!ヒッヒッヒッヒッヒ!」


「…この力を与えてくれた先生には感謝してるが俺がやることにいちいち文句は言って欲しくないな…。」


「ふむ、もし君が捕まってしまうと私も困るんだよね〜。ま、今の君を倒せる者なんてそうそういないけどね。しかし万が一があるから、君には戻って来てもらおうか。私の研究室であり、魔人計画の研究室の場所へね。」




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