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スキル《命》の覚醒

俺は静かに目を覚ました。


「ん?ここはどこだ。なんでこんなところに…。」


勇者共が俺を囮にしてガインさんも助けてくれなかったことを思い出した。


「クソッ!そうだ!俺を、俺を囮にしてあいつらは逃げたんだ!勇者共め、ふざけるな!勇者だからなんなんだ!そんなに勇者が凄いのか!?あいつらに…、絶対に復讐してやる!あいつらを殺してやる!!」


目覚めた当初はそんなことばかり考えていたがしばらくすると腹の音が聞こえた。


グルゥゥ!


「腹か。そういえばここはどこなんだ…。確か罠の落とし穴に落ちていったんだっけ。」


周りを見渡してみるとここもダンジョンの中らしい、奥が広がっていた。すると目に飛び込んできた一体のゴブリン。俺が引っかかった落とし穴にゴブリンも巻きこまれたようだった。


「グルァァァ!ニンゲン!キサマノセイデ!」


「うわぁぁ!ゴ、ゴブリン!!?………こいつ動けないのか?」


ゴブリンは運悪く落とし穴から落下して腕や足がおかしな形になっていた。


「俺もこいつみたいなりそうだったのか…。」


「ニンゲン!殺ス!殺シテヤル!」


「うわぁぁぁ!!ま、まだ動けるのか…。ひとまず、食料を調達しないと、奥に進むか…。」


俺は一刻も早くこのゴブリンから逃げたい気持ちで走って逃げた。

           :

           :

           :

「すごい!ここにはたくさんの食料がある!!それにこの川から水もとれそうだ。何とか生きれそうだな。」


奥に進むと大きな森にたくさんの果実がなっていた。そして今まで見たこともない綺麗な川がありここならしばらくは生きることが出来ると思っていた。だかここはダンジョンの中ということに俺はすっかり忘れてしまっていた…。


「グルァァァ!!」


犬のような形をした魔物が現れた。毛は白く目が黄色く光る姿はまるでイマズナのようだった。



「はっ!!そうだった!ここはダンジョンの中なんだ…!」


俺は必死に走り

また落ちてきた場所へと戻ってきた。


「はぁ!はぁ!はぁ!またここに戻ってきたのか…。っ!あのゴブリンがいない…!どこにいったんだ!」


この世界の魔物は死んでも遺骸が残るため俺と一緒に落ちてきたゴブリンが死んだとしてもここに残るはずなのだ。


「死ネェェェェ!ニンゲン!」


グサァッ!

ゴブリンの爪が突き刺さる。どこか隠れて俺を殺すために待ち伏せていたらしい。このままでは死んでしまうと思い俺は必死に応戦した。


「ガハッ…!痛い!痛い!痛い!クソッ!こんなとこで死ぬなんてイヤだ!!!化け物め!!死ね!!」

           :

           :

           :

ゴブリンは落とし穴の怪我が治っていなく先ほどの不意打ちは執念の賜物であった。俺は何度も殴り何度も蹴り、それからどれくらいたったのだろうか?

俺はついにゴブリンを倒した。しかし俺の体力もあとわずかだった…。


「お前は…当たり前のことをした、だけだ、ったん、だ、な…。ゴフッ!ゴフッ!…はあ、もう俺も、死にそう、だよ…。最後に、お前と戦って、良かったのかもな…。」


そう、ゴブリンは自然の世界ではえさを獲得するために生物を襲い、仲間がやられたから、やり返そうとした、至極当然のことをしただけなのだ。俺の復讐心も所詮、自然の世界で生きてきた者たちにとってはちっぽけで、つまらないもののように感じながら、俺は意識が遠くなっていった…………………。











死んだはずの俺はまた目を覚ました…。

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