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誠也の切り札

五大吸血鬼のラウル=フレイムがスキル《魔法憑依》を発動していよいよ勇者対ヴァンパイアの本当の戦いが始まろうとした……その前に少し時はさかのぼる。

それは五大吸血鬼のラウル、クイ、マーレイが自身の部下に勇者を捕縛せよと命じた後のことだ。


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「君が僕の相手をしてくれるのかい?」


金色に光る防具を着て、堂々と対戦者を待ち構え余裕を見せている男、晴光誠也がいた。1人だけ場違いのように輝く防具はヴァンパイア側からすればあまりにも滑稽だった。

しかしサヨキル王国の住民たちにとってはこの国を救う勇者そのものに映っていた。


「…貴様の相手をするタティオルだ。貴様の名は?」


緑と白の隻眼に同じく緑と白で分けられた髪の毛に真っ白な雪のような白さをした肌のヴァンパイア、タティオルが少し低めの声で誠也に話しかける。容姿に引けをとらないタティオルの声を聞けば男でもとろけてしまいそうだ。


「僕の名は晴光誠也。サヨキル王国の王女、ルテアに召喚され君を倒し、ヴァンパイアを倒し、さらに魔族全てを倒して世界を救う勇者だ!!勇者の僕が来た以上は君たちの好きにはさせない!!…サヨキル王国の住民たちを解放してもらおう!」


「…ならば私を倒してみろ。貴様が成そうとしていることがどれだけ夢物語か教えてやる。」


誠也はタティオルに向かって走りだした。誠也はルテアから貰ったサヨキル王国の宝具の1つである《聖剣ライトニングセイバー》を両手で握りしめ、力いっぱい振り下ろす。

しかしタティオルは全く動く様子がない。どんどん剣がタティオルに近づき当たるそう思ったときだった。

誠也の目の前からタティオルが消えた。


「なっ!!どこだ!!」


誠也は突如タティオルが消えたことに動揺して周りを見回す。後ろを振り返るとそこには平静と立つタティオルが誠也をじっと観察するように見ている。


「…どうした?それがお前の実力か?」


「っ!!!!ふざけるな!!」


誠也はタティオルの言葉に頭がきた。小中高といつもチヤホヤされ、全てが誠也の思いだったがこの世界に来てから歯車が狂い初めていた。


なぜ自分がこんな目に会うんだ!!なぜ僕が敗者の気持ちを与えられなければいけないんだ!!白銀の男にやられてここでも負けるのか!??違う!!僕は勝つんだ!!この男に、あの白銀の男に、全てに勝つんだ!!…そして世界を救う勇者になるんだ!!


「…みんな!!聞いてくれ!!」


すると誠也はサヨキル王国の住民たちに大きな声で声をかけた。


「僕たちはヴァンパイアを倒し、君たちを救ってみせる!!しかし僕たちの力では足りないところもある。だからこそ君たちの応援が必要なんだ!!みんな僕を、いや僕たち勇者を応援してくれ!!みんなでヴァンパイアを倒すんだ!!」


「…頑張れ!!」

「頑張れ勇者!!」

「応援してるぞ!!そして勝ってくれ!!」

「頑張れ!!頑張れ!!」

「負けるなよ!!勝って俺たちを救ってくれ!!」

「やっちまえ!!ヴァンパイアなんて倒しちまえ!」

「お前たちならいける!!倒してくれ!!」

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           :


住民たちは次々と勇者を応援しだしサヨキル王国全体が住民たちの応援の声でいっぱいだ。


「…何をしている?そんな応援が何の意味になるのだ。まさか応援が本当に力になるとでも思っているのか?…ばかばかしいな。」


「ふっ…。君には分からないだろう。応援が力になることを。…まだ見せたくなかったんだけど仕方ない。見せてあげるよ、僕の本気を!!

…僕は勇者の中で最強と言われている。それはなぜか?確かに他の勇者より初期ステータス値も高く洞察力や瞬発力も高いがそれが大きな理由ではない。1番の理由は僕の持つスキルさ。それもサヨキル王国でも見たことのない新種のスキル。

その名も《主人公補正》。

このスキルは僕がこの世界に来たときからあった最強のスキルだ。僕しか使うことのない新スキルだ!!その片鱗を受けるがいい!!

スキル《主人公補正》発動!!」


誠也の周りから黄色い光が現れ出す。誠也の周りには黄色い気が誠也を包みこむ。


こいつ…。なるほど先程までとは確かに違う。こいつを包みこんでいるこの黄色い光が原因なのか?…どちらにせよ、少し本気で行くべきだ。その実力見せてもらう!


タティオルが先程と同じように瞬間移動をして誠也の前に現れ、拳で誠也の顔を殴ろうとした。

が、その前にタティオルが吹っ飛んだ。


「がは!!!」


な、なんだと!!?どういうことだ!!?奴の前に一瞬で現れ一発いれるつもりだったのにまさかこの俺がやられるとなんて…これが《主人公補正》の力なのか!!?


「ハハハ、君の動きはなんだい?亀のマネでもしたのかい?遅すぎて思わず蹴り飛ばしてしまったよ。」


「……これがお前の力か?」


「まだまだ全力じゃないさ。でもこのスキルにも弱点があってね。強くなれる時間が決まっているんだ。制限時間は1日だけどね。」


タティオルの目から誠也の姿が消え、気づくと誠也は目の前に現れて誠也の持つ聖剣が振りかざされていた。


「がぁっっっっっっ!!!」


タティオルは上半身を斬られるも何とか痛みに耐えて移動する。

しかしそこにはすでに剣を構えた誠也が待ち構えていた。


「僕からは逃げられないよ。」


ザクッッッッ


タティオルの上半身と下半身は真っ二つに割れ、地面に転がる。


「…さて次は君だ!」


誠也が指さして見るのは《ブラッド・インベージョン》のリーダーであるマーレイ=ブラッドウォンである。

マーレイは黒色に真っ赤な赤で装飾された椅子に足を組みながら勇者たちを見下ろしていた。


「ふっ、面白い。……が貴様は我とはまだ戦えんな。」


「どういうことだ?すでに君の部下は倒した。それとも君以外のヴァンパイアを倒せば戦えるのかい?」


「ふっ、ハハハハハハハハハ!我の部下を倒しただと?面白い冗談だ。…タティオルはまだ生きているぞ?」


「な、なにを言ってるんだい?君の部下は…。」


誠也がタティオルを倒したことを伝えようと振り返えると後ろには何の外傷も見られないタティオルが立っていた。


「ば、バカな!!な、なぜ生きているんだ!!?それも斬り倒したはずなのに…なぜ上半身と下半身がくっついているんだ!!」


「もがき苦しむがよい勇者よ。その男は我でも倒すのは難しい。タティオルに勝てるのは五大吸血鬼でも我だけだろうな。」


           :

           :


「なぜ、生きているんだ?」


誠也は確かに斬り倒した感触が残っていた。のにも関わらず何事もなかったかのようにこのヴァンパイアは平然と誠也の前に立っていることに苛立ちを感じた。


「…確かにお前のスキルは強い。だが俺を倒すことは不可能だ。なぜなら俺のスキル《超再生》がある限り、お前は俺を倒すことは万に一つもない!」


誠也とタティオルの戦いは始まったばかりだ。

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