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神の使徒 サンライ家

晴光誠也が無謀にも令に決闘を挑み、一瞬で打ち負かされた日の夜、サヨキル王国の王女であるルテア=サヨキルは自室の部屋で勇者たちの事を考えていた。


「どうして勇者たちが王城から出るたびに問題を持って帰るのよ!!1度目は勇者の1人がゴブリンに捕らえられ、危うく勇者が死にそうになるわ、今回はB級冒険者に勝ってうかれてS級冒険者に挑んで負けたなんてとんだ恥さらしね!!使えないクズ共め!!」


一般市民がルテアの今の言葉を聞けば驚くだろう。なぜならルテアは温厚で優しく誰に対しても慈悲深い方だと言われているからだ。普段は常にこの国のために思い、そして国民のために動いているように演じるルテアしか見ていないからこそ、この言葉を聞けば偽物のルテアではないかと思うだろう。それほどまでにルテアは計画通り理想の王女を演じている。

しかし今、ルテアの心は憎悪にも似た感情が渦巻いていた。


「勇者を召喚したのはいいけれどあんな世界を救うだの寝言を叫び続けるナルシストやろうが来るなんて想定外よ!!もっとマシな勇者がいないの!?」


コンコン!


「ルテア様、失礼いたします。」


「何のようゴンダ?」


「はい、今サンライ家の方が王城にお越しになりました。」


「えっ!!どういうこと!!?どうしてサヨキル王国の神聖な使いとしてこの国を支える最重要人物がここに来てるの!!?」


サンライ家、それは元々サヨキル王国を作った者の家系の者で宗教国を建てたことで神に加護を貰い、サンライ家は不思議な力を持っていると言われている。

その力は人間の域を超えており、魔族とも対等に戦えるほどと言われているのだ。


「どうやら最近流行っている事件のことだそうです。」


「最近の事件と言えば首筋に牙が刺さった跡のある死体が残った不可解な事件のことかしら?」


「はい、その事についてサンライ家の方はヴァンパイアのしわざではないかと思われているそうです。」


「そう…、ともかくサンライ家の方を待たせるわけには行かないわね。行きましょう。」


ルテアはただでさえ勇者のことで頭が痛いが重い腰を上げてサンライ家の者の元へ向かった…。


           :

           :

           :


「失礼いたします。」


ルテアは待合室のドアを開けるとそこには金色の髪をした1人の男がいた。


「わざわざ貴重な時間を削ってしまい申し訳ない。」


「いえいえ、サンライ家の当主であるガゼル様がこちらまでお越しになられたのです。神の加護を貰った方々の忠義を尽くすのは当然かと。」


ルテアはいつものように清楚で慈悲深い王女の仮面を被る。


「…ハハハ。すまないね。それでいきなりだが本題に入りたい。」


「もちろんでごさいます。」


「では最近多数の首筋に牙が刺さっていた跡のある死体が発見されたと思うがあれは全てヴァンパイアのしわざなのではと思っている。ただ単に勘や当てずっぽうで言ってるわけではなく根拠もある。」


ルテアは大きく目を開けて驚いたと誰が見ても分かるような表情を作り、ガゼルに聞く。


「その根拠とはなんですか?」


「それは…、キィ村のことだ。」


「…キィ村?あぁ、確かにサヨキル王国の近くの村にそのような村がありましたがそれが何かあったのですか?」


「そのキィ村の村人は必ず1ヶ月に1度村では採れないお肉を買っていくんだが今月は1度も来なかった。最初はそれほど気にはならなかったが2カ月経っても村人が来ないことに不思議に思い独自に調査させてもらった。するとキィ村は全て焼き尽くされた後が残っていた。」


「焼き尽くされたということは誰かがそこで争ったか、事故の場合や隠蔽工作のために証拠を消去したと考えるのが普通ですね。」


「あぁ、その通りだ。そこで私は更にキィ村を調査したところある地下通路を見つけた。」


「地下通路ですか…確かにそれは怪しいですね。村に地下通路など作る余裕があるとは思えませんし。」


「そこで探索してみたところ、地下には大量の人間の死体が転がっていた。それも首筋に牙が刺さっていた跡がある状態でだ。私は他にも何かあるかと探したところ小さな部屋にある紙が置いてあった。それがこれだ。」


ガゼルが出した紙にはこう書かれていた。


我ら誇り高きヴァンパイア族に貴様ら村人たちは1週間に1度、生きた人間を献上すること。

2つ目に決して人間にこのことがバレないようにまたバラさないようにすること。

3つ目に献上した分以外の人間は貴様ら死鬼が人間の血を吸ってもよいこと。

万が一これを破った場合、貴様らの命はない。


「これは…、イタズラではないのですか?」


「そこまでは分からんがヴァンパイアである可能性は十分ある。万が一ヴァンパイアでなくても備えあれば憂いなしとは思わないか?」


「…そうですね。分かりました。ではヴァンパイアに対しての防衛準備及びヴァンパイアの居場所を見つけるために私たちも全力で手伝います。」


「ああ!!それではまた後ほど連絡する。」


ガゼルが王城から出て行くとともにルテアは小さな声で言った。


「目障りな家系たちめ。いつか私がこの国の全ての権力を握り、人間だけの世界を作ってみせる。そのためにもサンライ家は滅びてもらわなければな…。フフフフフフ…。」


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