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【短編】生き返った老婆【ホラー】

作者: 川島千夜

これは私が体験したことや、友人知人から聞いた「実際にあった怖い話」を百物語的に集めた、怪談である。

普通と違うのは「友だちの友だちから聞いた」「先祖に……」という「どこから来たかわからない話」は載せていない点だ。


……もちろん、中には「ガチでその話は危ないから載せられない……」というものもあったりするのだが……。

これはTさんの曾祖母の話。


昔はだいたいの家で牛や馬を飼っていたらしく、Tさんの曾祖母のおうちでも牛を何頭か飼っていたらしい。

そのTさんの曾祖母が、病気をこじらせて、とうとう亡くなってしまったそうだが、彼女は生前、非公認の巫女のようなことをしていたため、お通夜にはたくさんの人が訪れたとのこと。


亡くなったとはいえ高齢でのこと、さして悲しみに暮れるようなこともなく、多くの親戚等が集まり、通夜の酒を飲んでいた、そのとき――――突然、死んでいたはずの曾祖母がむくりと起き上がり、


「牛泥棒はお前だあぁ!!」


と、親類の一人を指さし、赤い目を腫らして言ったそうだ。

驚いたのは、生き返ったから……という理由だけでなく、曾祖母が寝たきりでいた間に、実際に飼っていた牛が何者かに盗まれ、犯人を捜していたということもあったのだ。

寝たきりだった曾祖母に誰かが告げ口をしたわけでもないのに、牛泥棒の犯人を指さし、そして本当に当ててしまった。

巫女をしていたというだけあって、その能力は本当だったのかもしれない。


その曾祖母はその後約1ヶ月ほど前と変わらぬ生活をし、ある日突然、ぱたり……と糸が切れたように往生してしまったとのことだ。



※こちらの文面・内容を無断転載・引用・流用する事は絶対にご遠慮ください※


※この作品は自サイトの無料小説ページにも載せています※

サイト名:OFFICE KAWACHIYO URL:http://officekawachiyo.com/free-hollywood-novel/

※この作品は2019年4月配信の怪談千夜2に加筆修正の上載せています※

https://bccks.jp/bcck/158849/info

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