Past.1
『君は世界が憎いか』
「……憎いよ。物凄く憎い。出来るなれば、復讐をしてやりたいと思ったくらいに。…でも私は死んだんだ。もうそれも叶わないでしょう?」
『君のその強い憎悪、復讐心、それだけあればもう一度生きるチャンスを与える事が出来るが』
「…馬鹿なの?私はそんな夢物語を信じるほど楽天家じゃない。」
『………一度くらい、信じてみる気はないかな。君は死んだ身なのだろう?』
「…そうね。一度死んでるのだし、これを信じてみるのも一興かもね。本当に生き返ったら上々、生き返らなかったら騙された、それで済む話なのでしょう?」
『私は嘘をつく気は無いのだが…まあいい。君に相応しい能力、名前を与えて生き返らせてあげよう。』
『そうだな、君の名前は征花でどうだろうか?花を征するが如く美しい、君の誇りと容姿にかけて。』
「……征花、ね。悪くないわ。気に入った。」
『気に入ってもらえて何よりだ。さて……もう一度、君の生きる糧となるその憎悪、聞いてもいいかな。』
「……私は全てが憎い。私を否定した父親が、私の友人を奪った誘拐犯が、ユイを見つけ出せない出来損ないな自分や警察が、私に酷い仕打ちしか仕向けない世界そのものが!!憎くて憎くてたまらない、だから…だからだから!」
「私は私自身を壊した全てのものに復讐がしたい!!」