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エリカと白詰草 Part2
兄の死から3年、自分が中学一年生の時、ある1人の女子……後の友人となるユイと出会った。
ユイの家庭環境は自分に負けず劣らずの複雑な環境だった。父はいない母子家庭、挙句その母親はろくな女ではないらしく、アル中で男をとっかえひっかえしていたらしい。
しかしユイ自身はそんな事を思わせないよな、とにかく明るい性格であり、その明るさで暗かった自分を、そして周りを常に元気づけているような奴だった。
ユイは、家庭環境は同じくらい複雑なのにも関わらず、自分の事を気遣い続けた。そんなに気遣わなくてもいいのに、と何度も言った。それでもユイは何かと構い続けていた
『心配だから』と
『アンタはいっつも深刻そうな顔をしてる。いつか思い詰めすぎて、死んじゃうんじゃないかって。すごく怖い。』
よくユイとそうやって屋上で話していた。屋上はユイと自分のお気に入りの場所で、死んだ兄も気に入っていた場所だった。
そんなユイと話す一時が、どうしようもなく楽しかったけれど、いつまでも続いてくれなかった