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死後 ~受け継いできた古墳~
いつかこの景色を君も眺めていたんだろうか
高く高く聳え立っていたのは 君の権威の証
まだ死なない君が建てた 大きな君の墓だった
ずっと忘れて欲しくなかったんだよね そうでしょ
今の僕ならば そんな君の気持ちが理解できるよ
苦しくなってしまうくらいに よく理解できるよ
いつかこの気持ちを君も感じていたんだろうか
最期が近付いていることは 自分が一番よくわかる
亡くなってしまったあとが 恐ろしいのだ
人々の記憶の中からも消えてしまうのが
だから大きな墓を残す それを生きた証とする
必要とされていなくてもいいから
忘れ去られてしまうことだけは嫌だった
死んで神になれたなら 本物の神になれたなら
この世ではいくら慕われても 神とは違う
死んだらもうそれはただの死体でしかないのだ
そうなりたくはないから 最高の技術で墓を残す
石を積み上げるだけが全てじゃない 全技術を駆使して
努力を積むだけが全てじゃあなかったように
知恵を借り 技術を借り 様々なことを学ぶと
その全てを生かして 僕の証を残すんだ
君の権威と並ぶように 競うように