表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/31

恐怖 ~強くなれずに弥生の時を~

 米の収穫時期 むら全体が忙しくなる頃

 僕も手伝わなくてはいけないことくらいわかっている

 けれども人と会うのが怖くて 自室に籠もりきった

 仕事もしないくせ 飯だって食いやがって あの男

 そんな風に僕を見ている方はむらに多くいるだろう

 むしろ殆どが僕を邪魔者みたいに思っているだろう

 いいや 本当に僕は邪魔でしかないんだろうね

 怯えているままじゃいけない 変わらなくちゃいけない

 だけど僕を見る目が 鏃のように鋭くて

 孤独な心を癒やしてくれる人など くれるものなど

 存在しないのだと 僕はやっと理解した

 米の収穫時期が過ぎ むらに争いが訪れる頃

 僕も戦わなくてはいけないことくらいわかっている

 けれどもここで終わってしまうのも怖くて

 英雄として死んでいけたら 僕も変われるのかな

 なんて思ってみたけれど やっぱり無理みたい

 臆病な僕じゃ 無力な僕じゃ無理みたい

 英雄になんて なれるはずがないのである

 そして死にゆく勇気なんて あるはずがないのである

 怖い怖い怖い 全部が怖くて仕方ないから

 邪魔者と思われていることを知りながらも

 僕は自室に籠もりきる道を選んだ 永遠に(ずっと)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ