7/31
来世 ~縄文の恋心~
僕は何も持っていなかったんだ
だから何かを持っているように見せようとした
強がって見え張ってちょっとばかり意地も張って
それもこれも全部君に一目惚れなんてしてしまったから
君に笑っていてほしい 君が笑えるならそれでいい
君のために 君だけのために僕は全てを捧げた
明日も生きていられるか 今日を生き抜けるか
この一秒後に待ち受けているのは死かもしれない
でも君が笑っていてくれるなら 僕はそれでも良かった
僕が狩ったもので君が救われるなら
僕が拾ったもので君を飾れるのなら
全てを君だけのために僕は捧げていた
獲物も君にあげてばかりだったからだろうか
何も食べない僕は窶れていった
装飾も君にあげてばかりだったからだろうか
何も取り繕わない僕は醜く怪我も増えた
だけど僕はそんなことどうだっていいのだ
自分がどうなろうと構わないから 君に
満腹であってもらいたい 美しくあってもらいたい
健康であってもらいたい 健全であってもらいたい
そして何より君に 幸せであってもらいたかった
僕はきっともう終わり 来世でもまた愛するよ