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最期 ~花の微笑み~

 儚いその微笑みを守る力なんて 僕にはなくて

 花びらが散ったときには君の命も散っている

 君自身が告げたことだけど 信じられない

 日に日に 握る手の力が弱くなっていく

 握り返す僕の力も弱くなっていく 情けない

 強く手を握って励ましてあげるつもりだった

 でも力を入れたら壊れてしまいそうな君だから

 どうしても僕にはそれができなかった

 花びらが風で散る度に僕は溜め息を吐く

 目に見えて衰弱していく君を見ていたくない

 日に日に 君の微笑みは強張っていく

 無理して笑う必要なんてないのに どうして笑うの

 無理しなくてもいいのに 辛いなら泣いてもいいのに

 最期くらいは思う存分泣いたらいい

 僕しか見ていないのだから 泣いたらいい

 泣き顔なんて絶対に見たくないくせに僕は言う

 最期だから幸せを噛み締めていた

 お別れは涙で汚れた顔ではない方がよかった

 優しさに甘えていたくなんてなかった

 絡め合う想いは複雑で 曖昧なもので

 儚いその微笑みは なくなってしまった

 花びらが散って 君は穏やかな眠りに吐いた

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