表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/36

あまつ空なる、君を恋ふ(4)

「――――――木津あまね、感情面にやや心配はあるも極めて優秀、と。さすが暴走除霊車(ゴーストブラッシャー)。将来が楽しみだな」

 あまねが無事なのを遠目から確認してから、直愛は吹っ飛ばされ、河原の片隅で意識を失っていた、頼朝に憑いていた「犬神」に近付いた。それは、小さな白い犬だった。

「やあ。平家の怨霊よ」

 声をかけると、赤い目がぱっちりと開き、犬はしゃがみこんだ直愛を見た。

 続いて、逆毛を立てて、威嚇を始める。

「随分、引っかき回してくれたけど……もう、遊びはお終いだ。ゆっくり眠ろうね」

 直愛は、そっとその頭に右手を翳すと、呪を口ずさんだ。

「天切る、地切る、八方切る、天に八違、地に十の文字、秘音、一も十々、二も十々、三も十々、四も十々――」

 そして、左手で印を切った。

「ふっ切って放つ、さんぴらり」

 ジュッと音を立てて、犬神が消える。

 直愛は、フッと短い息を吐くと、立ち上がり、両手を天へと突きだすように伸びをした。

 そして、懐から黒塗りの手帳を取り出し中を覗き込む。

 マーブル状になっていた頁に、意味を成さない文字が次々浮き上がり……やがて、それらはきちんと整列して、歴史を紡いだ。

「時の流れは無事、未来に繋がった」

 直愛は、パタリと手帳を閉めた。

「これにて一件落着、っと」

 そう言って、彼は悠然と笑み、片目を閉じた。

お読み下さり、ありがとうございます!

更新は週2~3ほどです。宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ