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婚約者は 2


「は??今なんて……」


場所は変わって国賓用の宮殿。


その宮殿でも他国の王族のみに使用が許可される部屋でルベルトはゴフッと呑んでいた紅茶を盛大にむせる。レミニアリスはノエルが淹れたレモネードをソーサーに戻しながら真摯な目で向かいに座る相手を見つめた。


「ですから、ザーシュバルドの方に囲うお方はいらっしゃるのですか?」


囲うお方、つまりは恋人ということだ。このままいけばルベルトの正妃となるが、その時に側妃や愛人がいればレミニアリスの立場がない。


「なんつーことを聞いてくれるんだよ……。言っとくけど、俺にそんな人はいません、全く」


ぶはっとルベルトの発言に大笑いする命知らずがいた。


「ちょっ、まっ、殿下っ…………!!!それはそれでどうかと思いますけど………っ!!!」


あははは!と腹を抱えて床に崩れる。レミニアリスはぱちぱちとまぶたを上下させて「…どなた?」と首をかしげた。ルベルトのものよりも明るい金髪で従者とみられるこの人は今、主を見て爆笑していたのだろうか?


「あぁ、お見苦しいところをお見せしてしまいました。皇女殿下、私は王太子殿下のお目付け役、副官、そして侍従兼護衛のシェスと申します。以後、お見知りおきを」


息を整えて歌うように言うとシェスは深々と礼を取る。

なんだか物腰は柔らかいが何を考えているかわからない。


「……。で、そんなことを聞いてどうするんだ。レミニアリス殿にも……その、囲うお方がいるのか?」


「いいえ、おりませんわ。…そのあたりのことは禁止、ですから」


にっこりと笑ってあらぬ疑いをばっさりと切り捨てる。


「そういえば、お話してませんでしたよね?私がこの婚約話を受けた理由を」


理由?と向かいの2人は顔を見合わせる。仲がいいのか悪いのかよくわからない主従だ。


「私がこのお話を受けた理由は2つ。1つは面倒くさいお姉様から離れること。もうひとつは─────────」


「し、失礼いたしますっ!!」


レミニアリスの言葉を遮って女官が慌てた様子で入ってくる。ノエルが眉根をよせて「何事ですか?」と聞き、女官は困り果てた顔で報告した。


「エリザベート様とミュリリアンヌ様がこちらへいらしているのです!!姫様、いかが致しましょう……」


「追い返せばよいではありませんか?わざわざ姫様のご判断を仰がなくても」


「ノエル、お姉様は腐っても皇女よ。それにここは牡丹宮ではないから。……ここのエントランスで足止めしていておいて。すぐ参ります」


御意、と女官はさっといなくなる。


「王太子殿下。一緒に来てくださると嬉しいのですけど、大丈夫ですか?」


なぜ?とは聞かず、ルベルトは「構わない」と頷く。


「なかなかわかっていらっしゃる…」とノエルが小さく呟けば、シェスは「そうでしょう?」と得意げに胸を張った。

*注釈*


レヴァイノスでは母親の身分が大きく影響する……という設定です。


正妃アリナディス⇢第二妃⇢第三妃という序列で。


第一皇女レミニアリスと第二皇女セシリア(一話参照)のお母様は正妃なので身分は高いです。


ですが、第四皇女エリザベートと第五皇女ミュリリアンヌ(2話参照)のお母様は第三妃。


年功序列ではないので、年下のレミニアリスがエリザベートよりも身分は上になってしまっているのです。



長々と失礼しましたm(_ _)m 


よろしくおねがいします.(╥﹏╥)

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