■ぱぴぽるぴ!(男1女1) 8分台本
■ぱぴぽるぴ!
作:七菜かずは
★役表。
芳賀沼 薫♂:
ぴこ♀:
★キャラ説明。
芳賀沼 薫♂:
普通の大学生。ごくごく普通。チェリーくん。へたれ。ラノベが好き。
ぴこ♀ or ♂:
薫くんの家に突然現れた、謎の少女。凄く繊細で、小さな声でかわいく喋る。
全身真っ白のコーティングをされてある。おいしそう。とってもかわいい。ツインテール。
イチゴのショートケーキみたい。
※男性がぴこをやる場合は、だみ声でやって下さい。
【開幕】
薫くん「起きたら俺の枕元で見知らぬ銀髪美少女が眠っていた。彼女はまるでアンドロイドのように美しく。華奢だがでも」
ぴこ「すぅすぅ……」
薫くん「っわっ!!? 誰!!? とりあえずセクハラで訴えられないように距離を取る」
ぴこ「ふぁ? ぱぴ? ぷ?」
薫くん「ほんと誰だよ!? ってかオートロックだぞこの部屋!?
スペアキーもねえのにどうやって入って来――……ぎゃー!! 玄関破壊されてる!!」
ぴこ「ぱぴこ♪」
薫くん「おいおいおいおいふざけんなよ! お前がやったのか!? 可愛い顔してやりやがる!」
ぴこ「ぴこ!」
薫くん「なんで! だよっ!」
ぴこ「ぴこ、ぴこ、ぷ?」
薫くん「ああ!? 『なんで怒ってる?』 って……。――俺なんでお前の言ってることわかんだよきめえ!
いいから直せ!! 困るんだよ! 寒いし!」
ぴこ「っぴぱぷ? ぴぱら~ぴぷぱ~ぴこ♪」
薫くん「わっ!!? っ!!? ほ、本当に直った!! なんだ!? これ夢か!? おい、夢なんだよな!?
落ち着け! 落ち着いてくれっ!」
ぴこ「ぴこ」
薫くん「なあ、どうでもいいから出てってくれ」
ぴこ「ぴこ」
薫くん「やだじゃねんだよ」
ぴこ「ぴこふぅ」
薫くん「ぴこ、言うこと聞けよ!!」
ぴこ「……ぴこ……ぴこ……」(涙が出る)
薫くん「……っ。あ、い、いや、違う。俺は、そ、そんな、泣かすつもりは……。泣いてる顔も可愛いけどさ」
ぴこ「ぴこぷ……」
薫くん「よしよし……いいこいいこ。って、わあああ! ごっごめん!! セクハラじゃねーぞ!?
今までずっと触れたい衝動をなんとか押さえつけて来たんだ! これくらい許してくれ!」
ぴこ「ぴこ?」
薫くん「なあ。普通には喋れねーのか? お前が言ってることはわかるけど、なんかこうやりにくいっつうか」
ぴこ「あー」
薫くん「だめ?」
ぴこ「だめちゃう」
薫くん「おお。やれば出来るじゃんか!」
ぴこ「ぴこぴぴ!」
薫くん「おい、戻ってるぞ!? ってかお前、すげー肌とか真っ白だけど……。まるで死んでるみたいに……」
ぴこ「さわるな」
薫くん「お、おお。ごめん」
ぴこ「ここにすむ」
薫くん「住むって住む!!? 俺一人暮らしですが!?」
ぴこ「こんせんと、かして」
薫くん「尻から電源プラグ!? ってか、プラグ出す音がなんかぐちゅぐちゅ言ってるけどこれって放送出来る!?」
ぴこ「じゅうでん」
薫くん「やっぱ人間じゃねーのか!? もうおかしい! やっぱ夢だ!
なあ。俺はさぁ、普通の生活が好きなんだよ。そーゆーラノベ展開とか欲しくねーの! 普通に普通の普通でいいの!」
ぴこ「じゅうでん」(少しおこ)
薫くん「はい、どうぞ! こちらに!!」
ぴこ「ぴこ」
薫くん「はあ……。本当に一緒に暮らすのか……?
誰かに相談しようかな……。警察?
い、いや、もし頭にきて自爆とかされたら厄介だ……。って何ファンタジー展開を予測してんだよ、俺きめえ!」
ぴこ「かぁーる」
薫くん「はい」
ぴこ「ぴこ、ぴ!」
薫くん「私は、腹が」
ぴこ「ぴこ」
薫くん「減った」
ぴこ「ぴこ」
薫くん「何か」
ぴこ「ぴこ」
薫くん「作って。――知らんがな! お前今までの展開からして人間じゃねえんじゃねーのかよ! アンドロイドとかさぁ!」
ぴこ「ぴこ?」
薫くん「何言ってんだってそれは俺の台詞だっつの!」
ぴこ「ぴこ……ぅ……すぅ、すぅ……」
薫くん「お、おい、寝るのか!? おい、ぴこ! ぴこ!?」
ぴこ「っ……」
大きな音を立てて横たわる、ぴこ。
ぴこ「すぅ、すぅ……」
薫くん「はぁ……。……可愛い寝顔しやがって。なんだかな。……ってか、すっげー派手に倒れたけど大丈夫なのか?」
ぴこ(ぱちっと目を開いて)「かぁーる」
薫くん「何? ってか、俺音速でお前に慣れてってるんだけどもうやだ。順応したくない。やっぱり出てってくれない?」
ぴこ「ぴこる?」
薫くん「ぴこるぴこる」
ぴこ「ぴこ?」
薫くん「頼むよ。俺、普通の生活が気に入ってんだ。お前は間違ってここに居るんだよ」
ぴこ「でも」
薫くん「ん?」
ぴこ「かぁる」
薫くん「どした?」
ぴこ「ここ、ぴこのへや」
薫くん「え?」
ぴこ「かぁるのきおくがまちがってる」
薫くん「……俺は」
ぴこ「きょうは」
薫くん「2014年3月15日」
ぴこ「ちがう。2795ねん、1がつ27にち」
薫くん「俺は、芳賀沼 薫」
ぴこ「ぴこ」
薫くん「違う?」
ぴこ「あっているけどあってない」
薫くん「ぴこの名前はわかるよ」
ぴこ「かぁるがくれたなまえだから」
薫くん「そうなんだ」
ぴこ「ここ、かぁるがずっとむかしにすんでたところ」
薫くん「再現してくれたのか?」
ぴこ「ぴこ」
薫くん「そっか」
ぴこ「かぁる」
薫くん「ん?」
ぴこ「ぴこる」
薫くん「冷蔵庫……。っと、何も入ってないな」
ぴこ「かぁる?」
薫くん「とりあえずさ。外行こう。腹ごなし」
ぴこ「うーん」
薫くん「ぴこ?」
ぴこ「あけちゃだめ」
薫くん「わっ!? クレバス!? うえええええ!? なっんだよ!?」
ぴこ「そとはない」
薫くん「なんでだよ!」
ぴこ「ぴこっ?」
薫くん「何がしたいんだ……」
ぴこ「かぁるのことたべちゃいたいの」
薫くん「へっ? そんなロマンチックな展開っすか?」
ぴこ「かぁる」
薫くん「顔は可愛いんだけどなぁ。ぴこさ……」
ぴこ「ちゅー」
薫くん「んむっ! ちょっとっ、ふ、っ! ぴこ!」
ぴこ「ちゅう、ちゅう、ちゅう」
薫くん「んっ! ふ、あ、」
ぴこ「ちゅう、じゅう、じゅう、ぺろぺろ」
薫くん「ぴこ! 恥ずかしいよ……」
ぴこ「じゅう、じゅう、じゅう、ふが、ふが、ふ、がっ、がぶ、がぁう、がぶ、がう」
薫くん「痛っ! 吸血鬼じゃないんだから。ちょっと過激過ぎ……」
ぴこ「が、がっ、がぶ、ぶじゅ、じゅ、じゅご、じゅぶ、じゅ」
薫くん「ぴこ!! 痛いよっ!! ッあ――――――――――――……」
ぴこ「かぁるのち、おいひいよ」
ぴこ「じゅぶっ、じゅる、じゅっじゅっじゅっじゅっじゅっじゅっじゅっ……」
ぴこ「かぁる」
薫くん「……」
ぴこ「かぁる。しんだの?」
薫くん「ああ、そうだ。死んだんだ」
ぴこ「そっか。おかえり。かぁる。じゅく、じゅく、じゅる、じゅぐじゅぐじゅぐじゅぐ……」
薫くん「ぴこ」
薫くん「おいしい?」
ぴこ(高らかに笑って。から)「……おいしくない」
END




