ノーブルブレイズ1
「あらすじ」
西暦2X15年の科学技術が発達した世界。Lawless-Partyという世界中にプレイヤーを持つPMORPGがあった。主人公、火神悠里はゆるい繋がりのギルドチーム、ノーブルブレイズの一員としてLPをプレイしていた。
西暦2X15年。科学が発達し、ロボットとコンピューター制御の有効活用によって、食料やその他の消耗品の生産が安定化した事で、社会の仕組みも変化していた。
ロボットやAIの発達により、人間が働く必要性というものがなくなり、科学者や芸術家、開発者、公務員などの限られた職業の人間を除いて、人材は三次産業やエンターテイメント開発へ向けられていた。
人々の最低限の生活は保障されている為、配給によって生きていく事も可能であり、食事や住居、衣服などを政府の支給である最低限のものだけで済ませ、自分の稼ぎを全て趣味や娯楽へ使うものもいる。
教育の面では、義務教育が高校修了までと伸びたが、学力の低下を危惧し、義務教育中であろうと留年、或いは飛び級をする事が決まった為、小学生で留年する者や、飛び級によって10代前半で大学を受験する者もあらわれた。大学・大学院は義務教育の範疇外だが、生活が保障されている為、余程勉強が嫌いな者や早く働きたいと考えている者以外は皆大学へ進んでいる。
【少女の部屋】
背中まで届く程のさらさらのストレートヘアをした少女がコンピューターに繋がれたゴーグルを手に取り、自分の頭に装着する。少女の名前は火神悠里。ごく普通の女子高生である。悠里はキーボードを膝の上に置き、とあるゲームを起動する。
悠里「よし、それじゃあ、ギルドホームへ」
疑似体験多人数オンラインロールプレイングゲーム(Para-Experience Many-People On-Line Role-Playing-Game)略してPMORPG、Lawless-Party。ゴーグル状の使用者の脳波を読みとる機械を使用し、プレイヤーが考えたままにキャラクターが動き、リアルなプレイ感が売りのゲームである。
プレイヤーは世界中に存在し、各国のサーバーにさまざまなスタイルのPC、NPC、ギルドチームが存在する。
"案内人"と呼ばれるNPCを通じて依頼を受け取り、ミッションを行う、という形式のゲームで、そのミッションの内容は暴力的である為、13歳未満プレイ不可という規制がしかれているが、それでも多数の人間がプレイしている、人気のゲームである。
【NBギルドホーム】
場末の酒場の様な薄暗いギルドホーム。よく見ると、様々な所に場の雰囲気など考えずに家具やアイテムが置かれている。中央には木でできた机と様々なデザインの6脚の椅子がある。その内1つには先客がいる。部屋の隅には何故か猫のぬいぐるみがおかれた炬燵が設置されている。その反対側には上へあがるらせん階段があり、一人の少年が其処に凭れかかるように立っている。尻まで届く赤い長髪に茶色の瞳の女性、プレイヤーネーム・AGNISSがログインし、其処にいたプレイヤーに手を振ってあいさつをする。
AGNISS「ヤッホー」
ゆうぽん「あ、AGNISSさんやっほー(>_<)」
しんじ@ブレード「YAHOO」
椅子に腰かけていた緑色の長いポニーテールに青い瞳の長身痩躯の少年、PN・ゆうぽんが大きく手を振って、階段に凭れて立っていたストレートに少し長めの青髪に銀色の瞳の少し身長の高めの少年、PN・しんじ@ブレードが小さく彼女の方を見て、返事を返す。彼ら三人は同じギルドチーム、ノーブルブレイズの一員である。
AGNISS「今日は二人だけ?」
ゆうぽん「うん。でも、今日はSPELLIAさんがインしてくる日だし(^◇^)、ALEXXさんから今日はインできるかも(>∀<)ってショートメール来たし(`・ω・´)、グリューネンさんもその内来るだろうし(・¥・)、久しぶりに全員そろうかも!(*^_^*)」
ゆうぽんはそう言ってぱたぱたと腕を動かす。ただし、表情は全く動いていない。彼はNBのサブリーダーである為か、あまり協調性のないNBメンバーの動向を一番把握している。AGNISSはそれを聞いてポン、と手を打つ。
AGNISS「それは楽しみだな。ところで、一個行きたいミッションがあるんだけど、いいかな?」
ゆうぽん「んー…(´・ω・`)いいけど、何?(`・ω・´)」
AGNISS「イジェマッシAK107が報酬で手に入るやつ。何回か挑戦してみたんだけど、中々クリアできなくて」
AGNISSは顔の前で手を合わせてお願いのポーズを取る。ゆうぽんは少し悩むようなポーズを取った後、大きく頷いた。
ゆうぽん「いいよー(*^_^*)。アレ、確か3人パーティのミッションだったよね(・ω・)。しんじ@ブレードさんも協力してよ(^◇^)」
しんじ@ブレード「何でオレが…」
ゆうぽん「いいじゃん(^u^)。丁度三人いるんだし(・¥・)。それとも一人でお留守番してる?(^v^)」
ゆうぽんが肩をすくめてやれやれ、というポーズを取ると、しんじはそれが頭に来たように立ち上がった。
しんじ@ブレード「行けばいいんだろう、行けばっ」
ゆうぽん「わぁい(^◇^)」
AGNISS「よろしくね、しんじ@ブレードさん」
【ホール】
沢山のPCとNPCが其々に動きまわっている。此処にあるカウンターでミッションを受注し、ミッションフィールドへ向かう事になる。AGNISSがミッションを受注して二人の所へ戻ると、しんじがゆうぽんを睨みつけ、ゆうぽんはそれをスル―して近くにいたキャラと世間話をしているという何だか険悪なムードが漂っていた。
AGNISS「ミッション受注してきたよ」
ゆうぽん「おっけー(`・ω・´)。じゃあ、またね(^◇^)」
「また時間がある時にな」
しんじ@ブレード「…さっさと行くぞ」
ゆうぽんがぶんぶんと手を振って話していたキャラと別れの挨拶をしていると、しんじはさっさとミッションフィールドへ向かって歩いて行った。AGNISSは困った様な顔をしてゆうぽんを見るとしんじを追いかける。ゆうぽんはそれに続いた。
【ミッションフィールド・戦場】
三人は揃って同じ砂漠迷彩服に身を包んでいた。手には支給品のライフルや拳銃といった銃器の中から、自分の得意とするものを持っている。近距離に偏ったスキルを持つしんじと、広く浅く可もなく不可もなくなAGNISS、廃人級プレイヤーでありオールマイティになんでもこなすゆうぽんは、特にバランスのいいパーティという訳ではないが、少なくとも、極端な弱点はない。
しんじ@ブレード「…それで、ミッションターゲットは?」
ゆうぽん「この先にある軍基地の制圧だよ(`・ω・´)。NPCを殺すと報酬がランクダウンしてアーマーライトAR18になっちゃうから、注意ね(・¥・)」
AGNISS「それがなければもっと簡単にクリアできるのにね」
AGNISSが少ししょぼんとして言うと、ゆうぽんはぽんぽんとAGNISSの肩を叩いた。
ゆうぽん「このミッションのコツは、相手をいかにしてダメージを与えず無力化するか、ってことだからね(`・ω・´)。やっぱり基本は足を撃ってやる事かな(・ω・)。それと、迅速に制圧する事(^◇^)」
AGNISS「うん、がんばる」
ゆうぽん「うん(^v^)。それじゃあ、行こうか(`・ω・´)」
しんじが得意の接近戦―CQC或いはガン・カタの様なもの―で攻めに出て、AGNISSが後ろからそれを銃で援護、ゆうぽんが二人のサポートをする、という形で三人は基地の中を進んでいく。三人ともこのミッションは初プレイという訳ではなく、AGNISSはミッションコンプリートを目指して最近何度も挑戦している為、ゆうぽんは廃人級プレイヤーである為、内部の構造を大体把握していた。
AGNISS「…ええと、次は」
ゆうぽん「三番目の角を左、それからまっすぐ行ってつきあたりを右だね(`・ω・´)」
しんじ@ブレード「…何でそんなの覚えてるんだよ…」
走りながら敬礼をするようなポーズでそう言って、支給品の小型ライフルに次弾を装填するゆうぽんの言葉にしんじがぼやくと、AGNISSは苦笑した。ゆうぽんはカッコつけたポーズで言う。
ゆうぽん「地形の把握は基本だからね(`・ω・´)キリッ」
しんじ@ブレード「きりっ、じゃねーよ」
そうやってケンカしつつも何だか息があってるのはやっぱりよくパーティを組んでいるからかな、とAGNISSは思った。二人が、仲が悪い割によくパーティを組み、しかししんじはゆうぽんのセカンドキャラであるYUKIとは絶対にパーティを組まない事はNBの七不思議のひとつである。ちなみにゆうぽんはキャラクターをロールするタイプのプレイヤーなのか、ゆうぽんとYUKIの時で全くキャラが違う。
AGNISS「ゆうぽんさんは記憶力すごいよねー」
ゆうぽん「いやあ、それほどでも(^◇^)」
ゆうぽんは答えながらも前方の敵兵の手足を撃って無力化する。目の前の敵の首にダメージを与えて昏倒させたしんじが振り返ってゆうぽんに文句を言う。
しんじ@ブレード「おいコラ、お前今オレを撃ちそうになっただろ!」
ゆうぽん「何のことかなあ(^O^)」
口喧嘩をしながらも次々と敵を無力化させていく二人を見て、AGNISSはこの二人って本当は仲がいいのかもしれないと思った。
司令部を制圧して自軍の旗を上げれば晴れてミッションクリアである。二人が、地味にどちらが旗を揚げるかで争っていたので、AGNISSが横からひょい、と旗を揚げるギミックを作動させた。
ゆうぽん「あっΣ(・◇・)」
しんじ@ブレード「あっ」
AGNISS「よし、ミッションコンプリート!!ありがとう二人とも」
二人はしまった、という顔をしてAGNISSを見るが、AGNISSが無邪気に喜んでいるので小さくため息をついて、しんじは顔を逸らし、ゆうぽんはガッツポーズをして見せた。
ゆうぽん「どういたしまして(^◇^)」
しんじ@ブレード「…応」
【NBギルドホーム】
ミッション終了後、自動的にホールに送られた三人は、ミッションの報酬を受け取ってギルドホームへ戻った。それを中央の席に座った二人の人間が迎える。青銀色のツンツンヘアに黒い瞳の中肉中背の男性、PN・SPELLIAと、背中まである天然パーマ気味の銀髪と紫色の瞳が神秘的な長身痩躯で性別不明の、PN・ALEXXである。
AGNISS「あ、ALEXXさんだ。久しぶりー。SPELLIAさんもこんばんはー」
AGNISSが手を挙げてあいさつすると、SPELLIAは無言で片手をあげて答え、ALEXXは薄く笑みを浮かべて手を挙げて返事をする。
ALEXX「久しぶり、AGNISS。元気そうだね」
AGNISS「元気ですよー。ALEXXさんも元気そうでなによりです」
ALEXXは男性にしては高めの、女性にしては低めの声で言う。ギルド内でも貧乳の女性だの、声の高い男性だの言われているが、本人が答えない為に性別は不明である。但し、SPELLIAはリアルでもALEXXの友人である為、知っているらしい。
LPはゲームの性質上、アバターの体型がプレイヤー本人の体型と一致している方が操作性がよくなる為、最初にアバターを作る時にプレイヤーの自己認識に応じてコンピューターが自動決定する。また、ログインするたびに体型の変化に合わせて微調整がなされている。その為、アバターの体型は基本的にプレイヤー本人と同じである。もっとも、アバターを改造して使っている者がいない訳でもない。
ALEXX「最近はリアルがちょーっと忙しくてね。本当、参ったよ(笑)」
ALEXXは一応NBのギルドリーダーだが、それはじゃんけんで負けた結果である為、其処に特に意味はない(サブリーダーのゆうぽんは自分で志願して就任したが)。ALEXXはメンバーで最もログインが不定期なプレイヤーである。それはリアルが特殊な職業についているためだと本人は言っているが、単純に気まぐれなだけだろうというのがSPELLIAの弁だ。ALEXXの性格を知るメンバー一同は概ねそれに同意している。
ALEXXとSPELLIAにおざなりな挨拶をしたしんじは自分の定位置である中央にある机とは少し離れた位置にある椅子に座り、ゆうぽんは自分の定位置につくと周りの話を聞く態勢に入った。AGNISSも自分の椅子に座る。
ALEXX「そういえば、三人でミッションにでも行ってきたの?」
AGNISS「はい。イジェマッシAK107を取ってきました」
AGNISSは嬉しそうにさっき手に入れたそれを見せる。それを見て、最近AGNISSがそれを手に入れようと頑張っていた事を知っていたSPELLIAがほう、と声を上げる。
SPELLIA「よかったじゃないか。最近、ずっとそれにかかりきりだったんだろう?」
AGNISS「あはは…ゆうぽんさんとしんじ@ブレードさんのおかげですよ」
ALEXX「それ、そんなに難しいミッションだっけ?」
AGNISS「クリア自体はそう難しくないんですけど、敵NPCを殺すとコンプリートじゃなくなって報酬が変わっちゃうんですよ。アレがなきゃもっと簡単なんですけど」
ALEXX「成程」
ゆうぽん「そういえば、後来てないのグリューネンさんだけですね(´・ω・`)。ALEXXさん何か知りませんか?(>_<)」
ALEXX「さあ。彼とはそれなりにパーティを組むけど、リアルの知り合いって訳じゃないしね」
放っておけばその内来るんじゃない、とALEXXは小さく首を傾げる。それにSPELLIAとゆうぽんが同調する。
SPELLIA「彼は夜型だしな」
ゆうぽん「睡眠時間少なそうですよね(・ω・)」
丁度その時、一人、男性がログインしてくる。金髪碧眼で男性としては平均的な体格をしている。PN・グリューネン、NB最後のメンバーだ。
グリューネン「やっほー。って、アレ。今日は皆いるの?しかもオレが最後?w」
メンバーは口々に挨拶をする。その後ゆうぽんがグリューネンを指さして言う。
ゆうぽん「グリューネンさんどべですよーm9(^◇^)。折角メンバー全員そろうチャンスが訪れたのに、グリューネンさんだけ欠席になるかと思いました(>_<)」
グリューネン「あははwww。ちょっと課題が中々終わらなくってさあ。やっぱ、遊ぶ前に終わらせときたいじゃん?w」
AGNISS「確かに、遊んでからやるのっていやですよねー」
SPELLIA「まあ、課題を放り出して遊ぶのは褒められたことじゃないからな」
ALEXX「課題って授業中とかに終わらせちゃわない?」
グリューネン「それができたらそうしますってwww」
グリューネンは少し離れた所に一人で座っていたしんじを椅子ごと引きずってメンバーの近くに移動させると、自分の席に座った。
グリューネン「折角皆揃ったんだし、全員で一個ミッション行ってくる?」
グリューネンが提案すると、しんじは微妙に嫌そうな顔をし、ゆうぽんはふむふむ、と顎に手を当てる。ALEXXはニヤニヤと笑みを浮かべる。
ALEXX「いいんじゃない?なんなら、3VS3ぐらいに別れて対戦ミッションでもいいけど」
SPELLIA「…それはチーム分けによっては始める前に決着がつくんじゃないか…?」
ゆうぽん「対戦なら、とりあえず僕とAGNISSさんは同チームだよね(・ω・)。レベル的な意味で(^◇^)b」
ギルド内の力関係をレベル差で決めるとすれば、AGNISS<グリューネン<しんじ<SPELLIA<ALEXX<ゆうぽん、となる。実際に戦ってどうかはスキルやプレイスタイルの相性もあるので微妙なのだが。
AGNISS「うわあ、何かALEXXさんに瞬殺される気しかしないね」
弱い所を狙うのは戦略の基本である。
ALEXX「えー、私、アグちゃんと戦うのやだなー(笑)」
ALEXXはそういってAGNISSを抱きしめる。AGNISSはくすぐったそうにした。それをしんじが呆れた目で見る。
しんじ@ブレード「ていうか、そもそも本当に対戦やるの?面倒くさいからいやなんだけど」
グリューネン「ノリが悪いなあ、しんじはww」
グリューネンが、あはは、と笑ってしんじの肩を叩くと、しんじはむっとした顔をした。
ゆうぽん「で、どうするの(・ω・)?何かミッション行っとく?(^◇^)」
SPELLIA「私は、皆で同一のミッションに参加する方がいいと思うんだが」
ゆうぽん「幼稚園の遠足みたいになりそうだよねwww。m9(^O^)」
ゆうぽんが冗談まじりに言うと、SPELLIAは頭を抱えた。そういう様子が容易く想像できたらしい。その場合、最も苦労するのはこの中で一番常識的で面倒見がいいSPELLIAである。
ALEXX「じゃあ、多数決を取ろうか。えーと、まず、3VS3の対決をやりたい人―」
グリューネンとゆうぽんが手を挙げる。
ALEXX「皆でミッションに行きたい人―」
AGNISSとSPELLIAが手を挙げる。
ALEXX「えーっと、じゃあ、ミッション行かずに適当にだべっていたい人―」
しんじとゆうぽんが手を挙げる。
しんじ@ブレード「…って、何二回手を挙げてるんだよ」
ゆうぽん「だってALEXXさん一回しかあげちゃダメだなんて言ってなかったじゃん(`・ω・´)」
しんじ@ブレード「常識的に考えてダメだろ」
ゆうぽん「常識(・ω・)?なにそれおいしいの?(^◇^)」
AGNISS「あ、NACHATからミッション参加のお誘いメールが来た。行ってくるね」
ALEXX「いってらっしゃーい。終わったらNACHATもこっちに連れ込んじゃいなよ(笑)」
AGNISS「うん、できたらそうしますねー」
AGNISSがギルドホームからホールへ移動する。
グリューネン「あーあ、AGNISSちゃん行っちゃった」
ALEXX「そういえば、グリューネン、次の土曜日から日曜日にかけてまたスキル修得の旅に出ない?」
グリューネン「あ、いいね、それ行く行くww」
【ホール】
ホールについたAGNISSはきょろきょろと周りを見回した。そして、目当ての人物を見つけて駆け寄る。
AGNISS「あ、NACHAT見つけたー。こんばんはNACHAT」
NACHAT「こんばんは、AGNISS」
少し長めの黒髪に、金色の目をした筋肉質で長身の男性、PN・NACHATは静かに微笑む。NACHATが座っているバーのカウンター席の隣に、AGNISSも腰掛ける。
AGNISS「それで、何のミッションをやるの?」
NACHAT「貴族の依頼系フリーパーティミッションで、報酬にシテス・スペクトラのフルオートモデルがもらえるんだ」
フリーパーティミッションとは、パーティ人数の指定される通常ミッションとは別に、好きな人数で参加できるミッションの事である。参加人数によって報酬が変化する事もある。
NACHAT「シテス・スペクトラって言うのはイタリアのシテス社で作られた短機関銃で――」
NACHATは嬉しそうにその銃のかっこよさなどを語る。AGNISSは楽しそうだなあ、と頷きながら聞く。NACHATは所謂ガンオタで、AGNISSをLPに誘った張本人である。と、言っても、リアルでの付き合いは全くなく、徹頭徹尾ネット上のみの付き合いである。互いの素性を知らないが、二人ともそれは問題にしていない。また、NACHATは高レベルプレイヤーだが、どのギルドにも所属していないフリーのプレイヤーである。本人曰く、AGNISS以外と恒久的にパーティを組むつもりがないかららしい。
NACHATの銃語りが一息ついた所で、AGNISSはNACHATに問いかける。
AGNISS「具体的にはどんなミッションなの?」
NACHAT「そこまではチェックしてなかったな。報酬に真っ先に目がいっちゃって」
AGNISS「じゃあ、ちゃんとチェックしなきゃ。とりあえず、パーティを組もうよ」
NACHAT「ああ。…誘ったよ」
AGNISS「…おっけ、承諾したよ。さ、ミッションを受けに行こうか」
NACHAT「ああ」
AGNISSが椅子から立ち上がってアッシャーカウンターを示すと、NACHATも目を細めた後立ち上がった。
NACHATの受けたミッションが高レベルミッションだった事に気付き、予想はしていたもののAGNISSは少し顔をひきつらせる。それに気がついたNACHATはAGNISSの肩を叩く。
NACHAT「心配しなくても、オレが守る」
AGNISS「それってお荷物になっちゃうんじゃない?」
NACHAT「何事も経験という奴さ」
AGNISS「とりあえず、持ち込み可のミッションだし、さっき手に入れたイジェマッシを持って行こうかな…」
AGNISSは呟いてアイテム倉庫の中身を表示させ、(勿論、本人にしか見えない)どれを持って行くのがいいかと考える。
ミッション中に使用する武器等は低~中レベルのものなら支給される事もあるが、高レベルミッションでは、他のミッションで報酬として手に入れたものなどを持ちこむ事ができる。勿論、一切アイテムの持ち込みができず、支給品のみでクリアしなければならないミッションもあるが。
AGNISSの呟きに、NACHATが反応する。
NACHAT「イジェマッシって言うと…AK100シリーズ?」
AGNISS「うん、多分それ。AK107。NBの仲間に手伝ってもらったんだ」
NACHAT「へえ。それ、結構優秀だと思うけど、それ一丁じゃ心配だから、そうだな…MP5K辺りを持って行くのはどうかな。持ち運びに便利なように小型化されたモデルだから取り回しも容易だし、使用に色々応用が利く」
AGNISS「ん、わかった。…一応、スタングレネードとかも持って行こうかな」
AGNISSは幾つかのアイテムを選んで倉庫からアイテムポーチへ移動させる。ポーチに入っているアイテムはフィールドに出ればコマンドで手の中に出現させることができる。
NACHAT「AGNISS、準備はいいか?」
AGNISS「オッケーだよ」
NACHAT「じゃあ、行こうか」
【ミッションフィールド・市街地】
NACHATが今回受けたミッションは、貴族からの依頼で、地下組織のアジトを壊滅させる、というものである。こうしたミッションの場合、逆に地下組織からの依頼で防衛・迎撃をするというミッションも存在し、同時にそれが発生している場合、互いを敵として戦う事になる事もある。つまり、場合によっては通常よりも難易度が上昇する事もあるという事だ。
二人は全身黒の衣装に着替えていた。味方NPCも同じく黒い衣装を身にまとっており、味方識別の代わりであるらしい。
AGNISS「真っ黒だね」
NACHAT「AGNISSは頭だけ派手だね」
黒髪に黒い衣装、と瞳の金を除けば真っ黒なNACHATと同じく黒い衣装だが炎のように赤い長髪に茶色の瞳のAGNISS。NACHATは闇に紛れる暗殺者(但し筋肉質)の様だったが、AGNISSは明らかに紛れるつもりがなさそうだった。
AGNISS「…スニーキングは苦手なの」
NACHAT「知ってる」
小さく肩をすくめたAGNISSの頭をNACHATは優しく撫でた。
AGNISS「何?」
NACHAT「君はオレが守るから」
AGNISS「…じゃあ、厄介そうなのは全部NACHATに任せるね」
NACHAT「はは、了解w」
宣言した言葉を守るかのように、NACHATはAGNISSの前を進み、次々と敵を撃ち殺していく。ちなみに、基本的にライフポイント方式だが、急所として設定されている個所をピンポイントに攻撃する事でPC,NPCともに即死させることができる。また、PCは生きている仲間がそばにいれば、蘇生してもらう事で規定回数だけ復活する事が可能である。ちなみに、死亡状態でも仲間が同じスポット内にいれば、その中でのみ動く事が出来る。
NACHATが使っているのは自分で持ち込んだ、ウージーカービンをダミーバレルに換装したもので、見た目は短機関銃だが、フルオート機能はついていない。照準はあってなきがごとしだが、汎用スキルの命中率上昇効果があるものを重ねがけする事で補助している。
AGNISSはその後ろからイジェマッシを構えてついていく。時々、NACHATが撃ち漏らした敵や、NACHATが銃弾の充填をしている時の警戒などをする。
AGNISS「…正直、私いなくても大丈夫じゃない?」
NACHAT「そんな事ない」
NACHATはそういって首を振る。しかし、前方への警戒は怠っていない。
AGNISS「そうかなあ」
NACHAT「ああ」
ラケーテ「恨めしや―…」
男の声が響き、二人は反射的にそちらへ武器を構える。しかし、姿が見えない。
ラケーテ「くっそう、イチャイチャしやがって…」
ファブリカ「ラケーテ、抑えろ。怒りは照準をブレさせるぞ」
ラケーテ「ファブリカ、止めるなオレは行く!!」
ファブリカ「あ、待てっ」
ラケーテ「お前ら、フィールドで」
AGNISS「えいっ」
ラケーテ「イチャイチャするんじゃなぐはっ」
飛び出してきた男にAGNISSがヘッドショットを決める。反動で男は後ろに倒れ込む。
ファブリカ「ラケーテ?!」
ラケーテ「ちくしょう…リア充爆発しろ…ぐふっ」
ドラグノフ「何を遊んでいるんだ、こいつは」
NACHAT「…成程、敵PCか」
AGNISS「あの人、死んだのかなあ」
NACHAT「どうだろうな。頭は一応急所ではあるが、被ダメージが不十分な場合は即死扱いにならないからな…恨み事をいう余裕はあった様だし」
AGNISS「そっかあ…」
その時、前方の出入り口から銃口が見えているのを見つけ、NACHATはAGNISSを抱え込むようにして物影に転がり込む。間一髪、二人が立っていた所に銃弾が撃ち込まれる。
NACHAT「此処から先は、これまでより気を引き締めた方がよさそうだ」
AGNISS「う、うん(´・ω・`)」
ファブリカ「やったか?」
ドラグノフ「ファブリカ、それはフラグだ」
確認の為に顔を出した男を、NACHATが容赦なく撃ち殺す。
ファブリカ「ぐっ」
ドラグノフ「…全く、世話が焼ける」
ドラグノフは中途半端に生き残っていたラケーテを撃ち殺し、NACHATに即死させられたファブリカと共に蘇生する。銃声の後に蘇生が二人分行われたのを確認し、NACHATは感心したように呟く。
NACHAT「合理的というか、何と言うか…」
AGNISSは疑問符を浮かべる。NACHATは小さく手を振って何でもない、と示す。そして、このミッションの蘇生可能回数は全体で5回だったかな、と呟く。公平性の為、対決するミッションの蘇生回数は同数になる。つまり、今、相手側は2回蘇生を使ったので、後3回は蘇生が使われる可能性がある、という事になる。
ファブリカ「助かったよ、ドラグノフ」
ドラグノフ「お前も修行が足らん。…おい、お前はいつまで寝てる気だ」
ドラグノフは蘇生されても寝転がったままだったラケーテに蹴りを入れる。ラケーテは小さく悲鳴をあげて起き上がった。
ラケーテ「いてて…元怪我人なんだから配慮しろよな…」
ドラグノフ「フン、必要性を感じんな。そも、迂闊な行動をしてあっさり死んだ奴を気遣ってやる義理はない」
ラケーテ「ひっでえ…」
NACHATが無言で隣の(ラケーテ達のいる)部屋に手榴弾を投げ込む。そして、熱センサー付きの銃で反応個所を撃ちぬく。爆煙が収まった後、NACHATが中を窺おうとすると、銃弾が飛んできてNACHATは慌てて身を隠す。
ドラグノフ「まさか、グレネードを持ちこんでるとはな…」
実質的に弾数の心配をする必要がない(装弾数は気にする必要がある)銃器とは違い、グレネード系の武器は消耗品扱いである為、LPではあまり人気がない。使った方が便利なミッションがない訳ではないが、特殊なミッションでしか支給されない為、アイテム欄を圧迫し、使用タイミングが難しいが威力はあまり高くないグレネードを常に持ち歩いている様な酔狂なプレイヤーはそうそういない。
NACHAT「殺すなら銃器の方が便利だが、グレネードはグレネードの利点があるのさ」
ドラグノフ「まさに」
ラケーテとファブリカは再び死亡状態になっている。ドラグノフも負傷状態(体力が3分の1を切っている状態)だ。
NACHAT「…まあ、相手が悪かったという事で」
NACHATに注意が向かっていたドラグノフを、少し離れた所に控えていたAGNISSが撃ち殺す。無言で倒れているドラグノフに、AGNISSは小さく謝罪をするようにお辞儀をした。
AGNISS「他にも参加してるプレイヤーの人がいるのかな?」
NACHAT「…さあな。どちらにしても、ミッションの終了条件は壊滅だ。全て皆殺しにするしかない」
Riot「女の子だー!!」
AGNISS「!?」
突然飛び出してきた少年を前後から二つの銃弾が撃ち込まれる。その銃弾のうち一つは勿論NACHAT、もう一つは少年Riotの仲間である。
Killer7「何やってんだっての?相手は敵プレイヤーだよ?」
Riot「だって―…」
Riotは虫の息で呟く。Killer7はRiotを見下して言った。
Killer7「馬鹿だろお前?ナンパならホールでやれよな?」
Killer7はRiotを撃ち殺してから足を引きずって元の部屋まで戻る。そして、蘇生を発動した。それを呆然と見送ったAGNISSはNACHATに問いかける。
AGNISS「…ええと、今のって敵の人だよね」
NACHAT「黒服ではなかったな」
そしてNACHATは、後2回、と呟く。
Killer7「うちの馬鹿が失礼したね?僕はニーズ…じゃなかった、フラッシュバックのKiller7だよ?」
AGNISS「私はノーブルブレイズのAGNISS」
NACHAT「NACHATだ。ギルドには所属していない」
Riot「オレはRiot。よろしくな、AGNISSちゃんんんんΣ(^O^)」
AGNISSに近づこうとした瞬間、NACHATの銃弾がRiotを撃ちぬく。AGNISSはひきつった笑みを浮かべる。
AGNISS「…えーと…"残念だけど、此処は戦場なのよね"?」
NACHAT「…敵に容赦をする心算はない」
Killer7「そりゃそうだね?」
死亡状態になっているRiotを見下してKiller7は呟く。どうやら、蘇生するつもりはないらしい。
NACHAT「蘇生しないのか?」
Killer7「蘇生しても無駄でしょう?」
NACHAT「成程、その通りだ」
NACHATはKiller7を撃ちぬく。と、同時にKiller7の撃った銃弾もNACHATの心臓を突き抜け、NACHATは死亡状態になる。AGNISSは慌ててNACHATに駆け寄って蘇生を施す。
AGNISS「大丈夫?」
NACHAT「ああ。すまない。ありがとう」
AGNISS「当然のことだよ」
Riot「…リア充爆発しろ」
Riotが呟いた言葉を聞いてAGNISSはきょとんとして首を傾げた。
次々と飛び出してくるNPCをさばきながら、AGNISSはNACHATに問いかける。
AGNISS「…私たちってカップルに見えてるのかなあ」
NACHATは大きくむせる。
AGNISS「だ、大丈夫?!」
NACHATは手をやって大丈夫だと示した。
NACHAT「…まあ、男女二人で行動していれば、そう見えても仕方ないのかもな」
AGNISS「そっかあ。私とNACHATはただの友達なのにね」
NACHAT「…そうだな」
NACHATが何となく落ち込んでいるのを見て、AGNISSは小さく疑問符を浮かべた。
ARWEN「まさか、5人がたった2人でやられるなんてな」
NACHAT「一度に5人束になってかかってきた訳ではないからな」
恐らくボスが潜んでいると思われる扉の前で、男:PN・ARWENが仁王立ちしている。そこそこ広い部屋で、置いてあった家具などと思われるものは壁際に寄せられ、中央に広い空間が作られている。
NACHAT「随分大所帯で挑んだ様だな」
ARWEN「大勢で騒いだ方が楽しいだろう?」
NACHATは小さく首をすくめる。しかし、武器の構えと警戒は怠らない。
ARWEIN「オレの名はARWEN。ギルド・フラッシュバックの小隊長だ!」
NACHAT「…オレはNACHAT。ギルドには所属していない」
ARWEIN「いざ、尋常に」
ARWEIN・NACHAT「勝負!!」
NACHATとARWEINが一騎打ちをしているのを、AGNISSはハラハラしながら見ていた。リアルなプレイ感が売りのこのゲームは、現実の何十分、何百分の一とはいえ、攻撃を受ければ痛覚が刺激される仕様になっている。つまり、攻撃されると痛いし、死亡状態になるのは痛い。もっとも、即死の場合の痛みは小さかったりするのだが。ちなみに、負傷状態になっている場合は別だが、受けた攻撃の痛みを継続して感じる事はない。
AGNISS「…手出しするのは、野暮だしなあ」
一騎打ちしている所に銃弾を撃ち込む事は別にルール違反ではないが(そもそも、一騎打ち自体がLPのルールにある訳ではなく、PC間のローカルルールの様なものである)、モラルとして、名乗っている時の攻撃と合わせて避けるべきものとされている。ちなみに、名乗っている時に攻撃しない、という暗黙の了解は古くからの日本の伝統であると言われている。
AGNISS「…見てるだけって、歯がゆいなあ」
もっとも、低ランクプレイヤーの私じゃ、邪魔にしかならないんだろうけど。AGNISSは小さな声で呟く。そして、ふと何かの気配を感じて振り返る。
AGNISSの悲鳴が聞こえてNACHATは振り返る。
ARWEIN「よそ見している暇があるのか?」
NACHAT「くっ」
NACHATはARWEINの腹に蹴りを入れるようにして大きく距離を取る。そして、AGNISSが死亡状態になっているのを確認し、その側に何時の間にか見知らぬ男が立っていた事に気がついて表情を消した。
ルフトファウスト「そちらは二人パーティか?」
どうやら、隠密系に特化したタイプのプレイヤーらしい、とNACHATはあたりをつける。そして、装備を二丁拳銃に変更する。
NACHAT「…殺す」
NACHATが黒いオーラを漂わせ始めた(そんなスキルは存在しない)のを見て、ARWEINはもしや逆鱗に触れたか?と冷や汗を流す。
ARWEIN「お、落ちつけ。これはゲームだぞ?!」
NACHAT「ああ。これはゲームだ。だから死ね」
ルフトファウスト「話し合う余地はないようだな」
ARWEIN「…まあ、どうせ元々そんなもんはないけどな」
ARWEINとルフトファウストを瞬殺したNACHATはAGNISSに駆け寄り、蘇生を施した。蘇生されたAGNISSはへらり、と笑みを浮かべた。
AGNISS「あはは…ごめん、NACHAT。死んじゃった」
NACHAT「いや、伏兵の存在を考えなかったオレの失策だ。悪い」
AGNISS「いやいや、低ランクプレイヤーなのにこんな所にいる私が悪いんだよ」
NACHAT「誘ったのは俺だ。オレが悪い」
AGNISS「…じゃあ、両方悪いって事で」
NACHAT「…ああ。それじゃあ、さっさとミッションを終わらせようか」
【ホール】
ボスをさっさと瞬殺した二人は、ミッションコンプリートでホールへ戻っていた。受け取った報酬の中にあったシテス・スペクトラを嬉しそうに眺めるNACHATを見て、AGNISSも楽しそうだな、と笑みを浮かべる。と、ふと気がついた、という様にNACHATに呼び掛ける。
AGNISS「あ、そういえば」
NACHAT「何だ?」
AGNISS「今日は珍しくギルドメンバーがそろってるんだ。だから、ミッション終わったらNACHATも連れておいでってALEXXさんに言われてるんだけど」
NACHAT「そうか」
AGNISS「嫌なら強制はしないけど」
AGNISSがそういって首を傾げると、NACHATは首を振った。
NACHAT「…いや、いこう」
AGNISS「それじゃあ、いこう」
【NBギルドホーム】
AGNISSとNACHATがギルドホームに行くと、其処にはALEXXとグリューネンしかいなかった。
グリューネン「御帰り、AGNISSちゃん」
ALEXX「あ、御帰り、AGNISS。後、久しぶり、NACHAT」
NACHAT「…お邪魔する」
AGNISS「ただいま、ALEXXさん、グリューネンさん。…SPELLIAさんたちは?」
ALEXX「少し前に、「決闘だー」と、しんじとゆうぽんが言いだしてね。フリーフィールドに行ったんじゃないかな。SPELLIAは審判兼付添だね(笑)」
ALEXXがゆうぽんの真似らしき身ぶり手ぶりをして、からからと笑う。
NACHAT「見物はしようと思わなかったのか?」
ALEXX「帰ってきたら誰も居なかったら、アグちゃんが寂しいでしょ」
AGNISS「え、あ、ありがとうございます?」
グリューネン「そういって、巻き込まれるのが面倒だっただけだろwww」
ALEXX「まあ、否定はしない」
グリューネンがからかう様にそういうと、ALEXXはぱたぱたと手を振った。グリューネンはまさか肯定されるとは思わなかったのか、呆れた顔をする。
ALEXX「座りなよ二人とも。ミッションの話でも聞かせてほしいな」
「今後の展開」
NBの面々は反政府レジスタンスチーム(という設定)の怒りを抱いて蹲る者という(中二病患者の大量に所属している)大型ギルドと関わる。彼らは最近、粛清の剣というプレイヤー有志の自治団体を名乗るこれまた大型ギルドと諍いを起こしている。LP・Japanサーバーに混乱が走る中、NBメンバーはそれぞれに動いていた。




