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その1 異世界に跳ばされた時、辿り着いた場所と季節と時間が生存に適しているか・・・ぶっちゃけ格好も大事、靴くらいは履いときたいよね

最近、眩暈がするようになった。


以前から頭痛持ちではあったのだが、頭痛と眩暈は似ているようで違う。


掛かり付けの医者も担当が違うと言って余所へ行けと言う。


頼りにならん医者だ。


今時は専門が細分化されて、あちこちと盥回しにされた上に検査ばかりさせられる。


通院するには会社を休まねばならない。


これ以上、有給の申請をすると上司もいい顔をしない。


年度末が近づいて有給の残りも少ないし、病院の新規開拓に消極的な俺は軽い眩暈を侮って放って置いた。


それが不味かったのか?


ある朝、目が覚めたら、そこは異世界と呼ばれる場所だったのだ。






俺はいつものように愛用の暖かいパジャマを着て、羽毛布団に包まって、エアコンと加湿器の稼動している快適な寝室で安眠を貪っていた筈だった。


なのに寒さで目が覚めた。


仕草と容姿が愛苦しくて何をされても許せてしまう我が家の愛娘(もうすぐ5才の雑種犬)が俺を布団から蹴り出したのか?という考えがチラリと頭を掠めたが、気温はそんな生易しい状況ではないと教えてくれる。


覚醒を促す冷気に抗って布団を手繰り寄せようとするが、掛け布団が見つからないどころかパジャマまでが冷たい。


慌てて起き上がった俺は、身一つで夜露に濡れた草の上に寝転んでいた事に気づいた。


何故?どうして?ここはどこだ?


湧き上がる疑問符に呆然となるが、突然起き上がった所為かクラリと軽い眩暈が襲って来た。


思わず頭を押さえる為に持ち上げた袖が重い事に気づくと、俺の愛用のパジャマはビッショリと夜露に濡れていた。


深々と冷え込む冬の朝、吐く息が白い。


確か、昨夜の天気予報では明日の最低気温は零度に近くなるとか。


暖冬だと言われていたのに、今月に入ってからは雪まで降りやがって。


バンクーバーでは桜も咲き始めたって言うのに。


そんな気温の中で濡れたパジャマ姿では間違いなく風邪を引く。


インフルエンザの予防接種はしたが、肺炎にでもなったら・・・


ありとあらゆる最悪の事態を予測して俺は死を予感した。


そこへガサガサと草を掻き分ける気配がした。





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