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記述主義者がペンを捨てるまで。  作者: ほんの未来
第7章:記述主義者と努力嫌いのための努力論。
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71 クソどうでもいい仕事<ブルシット・ジョブ>

 それでは、逆にやりがいがまるでない、クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)について考えてみよう。

 私たちが獣であった頃、たとえば樹上の果実をもしゃもしゃ食べていたわけだ。手づかみで食べる、つまり自分のための仕事だね。群れを作り多少の集団生活を営むことで、集団的自衛や繁殖、子育てにおいての有利さを確保したんじゃないかな。ただまぁ、なんとなくそうなってただけだろう。別にパリピな原始人類たちが「合コンしようぜ!」と集まったわけではなくて、たまたま寄り集まってたら、なんか生き残りやすかったんだ。適者生存、あくまで結果論。


 そして、そこから先は様々な思惑が絡んだんじゃないかな。仮説ならいくつか立てられる。例えば、火の使用の結果、火の番をする者と狩りに行く者の分業が起きたとか。原始的な言語が生まれてリーダーが指示を出すような形で分業したのかもしれない。物々交換もありそうだ。たぶん、モテたいと思った(オス)たちが、こぞってアクセサリになる輝石や綺麗な貝殻のたぐいを求めたんじゃないかな? 他の(オス)には気軽に渡したくはない程度に大切で、(メス)には気軽に渡したいと思う程度に使いみちがある。このアクセサリが物々交換の基点……通貨のような機能を果たした。すると需要と供給の関係から、必要だけどする人がいない仕事は高評価を受けられる。原始経済、資本の蓄積が足りないという意味で、生きていくのに必死な時代だ。他の人がしていない、でも必要な仕事を探すようになり、それが分業を促したのかもしれない。

 仮説は立てられるし、実際はこういった理由がいくつも絡み合った結果、意識的に分業する、という人間らしさが生まれたんじゃないだろうか?


 そして、はるか時代は進み、産業革命や農業革命を経て、資本の蓄積が進みました。しかし、1930年の講演で経済学者ケインズが語った予測がある。100年後((つまり2030年))、1日3時間も働けば充分に生きていける時代がやってくる。だが、そんな時代はいまだ見えてこない。あと6年でそれほどの働き方改革が実現できるとは思えない。どうしてこうなった?


 とまぁ、そんな感じで、まったく役に立ってない仕事を大量にこなしちゃってるんじゃないの? という疑念から生まれた概念がクソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)だ。

 分類としては取り巻き型(偉い人の太鼓持ち)脅し屋型(虎の威を借る狐)尻拭い型(人海戦術でカバー)書類穴埋め人型(誰も読まない書類作り)タスクマスター型(仕事の割り振りだけ)と5つに分けられる。付記すると、きつい仕事(シット・ジョブ)は含まれない。むしろそれは必要不可欠(エッセンシャル)だ。

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