65 巻き添えを防ぐ
さて、まずは他者が『余裕』の扱いを間違えたときの対処法だ。
簡単だ、距離を取ればいい。で、解決できたら楽なんだけどね。
問題は人間関係だ。
ここは特に家庭の問題について考えてみよう。DVに児童虐待、家庭内暴力、基本的には距離が近いからこそ起きるトラブル。恋人同士や親同士、親から子へ、子から親へ振るわれる暴力。児童虐待にはもう少し広い意味があるね。身体的虐待以外にも、精神的虐待、性的虐待、育児放棄。どこまでがしつけでどこからが虐待なのか、なんて議論はそうそう終わるものではないでしょう。育児放棄に関していえば、逆に距離が遠い、あるいは心理的・金銭的『余裕』のなさも感じられます。
空理空論の泣きどころですね。直ちに、今すぐ被害者を救うという点で、地域の目や公的機関に頼るほかありません。保護や隔離という、問題解決のための大切な初手は、専門の方に任せなければなりません。ヤバかったら逃げろ、としか言ってあげられない。
もしも空理空論で役立てる部分があるとすれば、予防とアフターケアに関してでしょうか。もしも将来、自分が加害者になったり、被害者にならないためにできることはあるだろうか?
まずは何より、『余裕』を持つこと。「ゆとり」と「あそび」を区別すること。『無責任』カードの話。緊急性と重要性は両立しないこと。背景へと視野を広げるための星空のバイアスや、認知のピントを合わせる認知的背理法の話をしてきた。『余裕』を失わせる敵キャラ、宣伝と広告・前借り後払い・射幸心の煽動・中毒と依存症も話したね。『余裕』の具体例として5軸に絡めて様々な『余裕』を例に示してきた。『余裕』を適切に扱うにはどうしたらいいか、考えてきた。多すぎても少なすぎても、拗らせてもダメだった。『余裕』ってやつは、ニトログリセリンみたいに繊細だったね。人生の起爆剤にして、君のための強心薬だ。
さて、そろそろまた掲載文を分割しないと……というタイミングで、カンザキイオリさんの無料ライブ配信があって作業遅れが深刻化しそう(汗)
ちなみに空理空論、7章前編は書き終えましたが……季節外れの残業祭りの影響もあり、多分1ヶ月分は書き溜められていないかな……持ち直したいところ。むぐぐ。