62 あまりにも人間的な余裕<スラック>~5軸コンプリート3
そして、時間を掛けて自分を育んでいく。形だけ余裕ぶってるわけじゃない、ちゃんとした『余裕』のある人間に成っていく。そうすると、多少なり無茶もできるようになってくる。これまでは過剰で、とても扱いきれない! と思っていた『余裕』も、手が届くようになる。5軸を取り揃え、極めた結果、人間的『余裕』が手に入る。
これは一般に、度量だとか、人間の器、心の広さとか言われるものだ。手に入れるのが難しい、ともすれば人間としての格が違うとか何とか言い訳して、手を伸ばすことさえ諦めがちな代物だ。でも、きちんと手順さえ踏めば、誰だって自分を育てることができる。
例えば、空理空論の好例として、経営の達人を考えてみよう。名経営者なんて人間的『余裕』のある人の代表例だろう。そういう人にただ働きを申し出て、カバン持ちでもなんでもやって、そのやり方を見習う。恐らく十数年ぐらい掛けて、それっぽい振る舞いを身につける。なんか上手いこと気に入られれば、チャンスのひとつも恵んでくれるかもしれない。そうすれば、その名経営者ほどではないにせよ、まぁまぁ成功できるだろう。
ただし、現代の法令遵守意識の高まりをみるに、ただ働きを受け容れてくれる可能性は低いだろう。カバン持ちできただけで幸運? さらに言えば、その名経営者が本物かどうかも、未熟な時分には確信が持てないだろう。その辺りにも運が絡む。そして時間効率も悪い。本当に憧れて、真剣に挑む。でもやり方が全く分からない。ならこんな無謀な手段でも悪くない。だってそれぐらいしかできることがないのだからね。
でも、空理空論ならどうだろう? 『余裕』、なんでもないことをひとつひとつ分解し、個別に扱いを心得ていく。なんか面倒になって、途中でやめちゃっても構わない。それなりに身につけた分だけ、それなりに役に立つ。