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記述主義者がペンを捨てるまで。  作者: ほんの未来
第7章:記述主義者と努力嫌いのための努力論。
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59 歴史的余裕<スラック>~人間×存在×時間×空間軸

 続けて、人間(ヒト)×存在(モノ)×時間×空間軸。

 歴史について考えていこう。


 歴史の『余裕(スラック)』。

 適切なら、大いなる歴史、その文脈の中で、過去から現在、そして未来へとどう繋げていくか。読み解き、また書き(つづ)るための一助になるだろう。歴史とは人間らしさの記録であり、失敗談の類型でもある。興亡の合間、つかの間の繁栄の中で、人がどうやって生きてきたのかを学ぶことができる。

 過剰であれば、いきすぎた保守・伝統主義でしょうか? あるいは歴史問題が深い溝となり、国家間や、多数派と少数派、差別と被差別、今に爪痕(つめあと)を残す場合もある。原因は戦争や紛争、公害や放射線被曝、伝統的な身分制に価値観など、多岐にわたる。何より、世代をまたぐことで解決がややこしくなる。集団訴訟や積極的(アファーマティブ)格差是正措置(アクション)、既に終わってしまったことに、いつ終わるともしれない対処が続いていく。軽率な言葉なんてまるで役に立たない。現実、歴史の重みに潰される。まして、戦う理由が、子や孫世代に遺恨を残さないためだったりするんだ。未来を守るために、未来に背を向けなきゃいけないのは、地獄だろう。そんな背中を見て育つ子の哀しみだってあるだろう。過去に折り合いをつけるのは、ときに本当に難しい。ともに未来に歩めたら、と思っている。けれどやっぱり難しいんだろう。どうか、そのそばに仲間の手がありますように。

 不足すると、大衆主義(ポピュリズム)や民主主義が腐敗しやすくなる。それまでの経緯・正統性がなさすぎる場合、前言撤回、有言不実行、場当たり戦術がありふれる。臆病(おくびょう)な判断、小さなことにも過剰に反応し、右往左往にも気付かずに、疲れるわりに成果が出ない。まるで筆者(わたし)みたいだ。困ったものだよ、ホントにさ。結局のところ、ひとつひとつ積み上げて、歴史を作っていくしかないんだろう。手加減してくれない世界に、どれだけ向き合ってきたか。それを自信(ことば)に変えていく。それが歴史(ものがたり)になっていく。なんて。さて続けていこうか。

 (こじ)らせると、現在にあわせて歴史を捏造(ねつぞう)し始める。過去美化バイアス(「昔は良かった」)事後情報効果(「ああ、そうだった」)後知恵バイアス(「分かってたよ」)自己奉仕バイアス(「自分のおかげだね」)。人間は過去を都合良くねじ曲げ、今現在に矛盾が生まれないよう必死だ。個人でさえ自己否定には耐えがたく、集団ともなれば言わずもがな。過去なんて、全部重荷だ、全部無駄だ。うずくまって動けないぐらいなら改竄(かいざん)してしまえ。過去は重すぎて、今に耐えられなくなる。ならばいっそ。そんなところだろうか? 過去の失敗をブレーキか重石(おもし)ぐらいにしか思っておらず、失敗談(軽さ)にできていない。恥かきベソかき生きてきたこと。それは誰もが通る道で、そうして大人になっていく。背負わず気負わず、たまに振り返るぐらいがちょうどいいんだろう。古傷が痛まないことを、心の晴天をただ願う。明日は晴れるといいね。


 人間(ヒト)×存在(モノ)×時間×空間軸として、歴史について考えてみました。

 さて、これで4軸もコンプリートですかね? 人間(ヒト)軸固定、存在(モノ)評価(カネ)・時間・空間の4軸のオンオフ(2×2×2×2通り)で16パターンですか。あとひとつ。


   †

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